誕生日プレゼント

ガチャン

「院長?!」

アリアが勢いよく扉を開けると

「うわぁ!アリアそんな勢いよく扉開けちゃダメでしょ」

レラジェがそう叱る

「カリンがヤバいんですよね?!そんな状況で考えてる余裕なんてないですよ!」

しかしアリアにとっては家族の危機なのだそんなこと考えている暇はなかった

だが

「カリンがヤバい?、、、あー、呼び戻した内容が内容なだけに伝えてなかったから誤解しちゃったのね」

レラジェはバツが悪そうな顔でそう言う

「え?もしかして早とちりしちゃいました?」

「、、、ええ」

「、、、恥ずかしい」

アリアは顔を真っ赤に染めて下を向く

「ふふ、良いお姉ちゃんだと思うわよ。叱ってしまってごめんなさいね、、、それで要件だけど着いてきて」

そんなアリアを見てレラジェはそう呟き院内に入って行った

「はーい」

そしてアリアもついて行った

「カリン関係ではあるのだけどね、、、本当はこないだの誕生日に渡したかったのだけど私からの誕生日プレゼントを渡したくてね」

「はい、、、?」

(わざわざ誕生日プレゼントを渡すために呼び戻したの?)

アリアは首を傾げる

「子供祭りとかその辺の時じゃないむずかしくてね。しかも場所がかなり限定されてしまってこの辺りだと孤児院ぐらいでしかできないのよ。楽しいお祭りの時に呼び戻してしまって本当にごめんなさいね」

「いえ、、、でもどんなものなんですか?」

アリアがそう聞くと

「この孤児院を継ぐための力ね」

レラジェはそう答えた

「ち、力?!」

あまりに想定外なものが出てきたためアリアは驚く

「ふふ。ただでさえ強いアリアがさらに力を得たらどうなるのかしらね、、、あのサンモンジの子にも勝てるかもしれないわね」

そうレラジェがそう言うと同時に

ガチャ

「院長室?」

レラジェの部屋に辿り着いた

「ここにあるわけじゃ無いわよ?」

そう言うとレラジェは本棚に手を触れる

「解除」

そう言うと

パリン

何かが割れた音が本棚から聞こえた

「間違って誰かが開けないように」

そして本棚を押して横にスライドさせた

「普段は動かせないように魔法で固定しているの」

本棚の会った場所の壁には

「階段?!」

下に続く石の階段があった

「それじゃー、行くわよ」

「は、はい」

2人は階段を下りていく

「色々と隠さなくちゃいけない物はこの下の空間に隠してあるのよ」

階段を下りながらレラジェはそう呟く

「隠さなくちゃいけない物?」

「色々とね」

そして2人は階段を降りきり重厚な鉄扉に前に立つ

「さて、、、開いてみて頂戴」

「は、はい!」

(なんか鉄臭いような?)

そんなことを感じながらアリアは鉄扉を開けた

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ぇ?」

そしてアリアは自身の目を疑った アリアの目には


黒い魔法陣、その中心にある台には四肢を拘束され腹に槍が突き刺さって血を流しカリンの姿映った

「ぇ?え?えぇ?」

アリアは眼前の光景に理解が追いつかない

(カリンが槍で腹を貫かれてる、、、助けなくちゃ)

しかしお姉ちゃんとしての根本がそうアリアに次の行動を告げた

「カリン!!」

アリアはカリンに掛けよろうとする

しかし

ガシッ

レラジェに肩を掴まれた

「落ち着いて」

そして優しい声でそう言った

「落ち着けって!カリンが死んじゃう!!」

「死なないわよ。痛み止めの魔法もかけてるから痛みもない、、、まずは一家深呼吸しなさい」

焦るアリアにレラジェはそう言う

「ぇ?すーはー、すーはー、、、どういうことですか?」

少しだけ落ち着きを取り戻したアリアはレラジェにそう聞く

「まずアリアへの誕生日プレゼントだけど、、、それは悪魔様との契約よ!」

「、、、は?」

しかし直ぐにその落ち着きは崩れた

「偉大なる悪魔様のお力をアリアが扱えるようにするために悪魔様との契約をアリアにあげるわ!」

「、、、、、、何を言って?」

「カリンは悪魔様を呼び出すための触媒として私が選んだの!とても名誉なことだからアリアを育てるという使命があるから仕方が無くアリアに一番懐いていたカリンにその名誉を渡したの、。羨ましいわ。あ、安心して頂戴!私は孤児院のみんなに平等に愛を注ぐわ。今バランに行っている子供達は私の遠隔操作で大爆発や魔獣化する術式を組んでいてね。祭りでいっぱいの人が居るバランなら私の部下たちもいるし大量の魂を持ってきてアリアを強い悪魔様と契約させるお手伝いができる名誉ある役を任せてあるわ!」

「なんで、、、」

(なんでこんなおかしなこと言っているのにいつもの優しい院長のままなの?)

レラジェは一切狂気的な目も声色もしていない だからこそヤバいのである

この女は心の底からアリアや他の子供達を愛しておりこれから行う行為も子供たち全員のためになると本気で思っているのである

「アリアは教会が嫌いなのよね。私も大嫌いだから今日中にバランや周囲の町のセラフ関係者を皆殺しにしましょう!穢れてしまった魂も悪魔様五捧げれば浄化されるわ!!」

「いや、、、嫌いだけど、、、これは」

「あっ!でもあの大司教、、、ビリアンだけは流石にダメね」

そう言うとレラジェはアリアから手を放し近くにあった机から箱を取ってくる

その箱とは

「大司教から貰った箱?」

ビリアンが絶対に中身を見るなと言っていたものだった

「これあなたへの誕生日プレゼントだって中にあった手紙に書いてあったわ。今日の子供祭りにって」

「え?!」

「でも中身がね」

レラジェは箱の中身を、、、ビリアンがアリアへの誕生部プレゼントに贈ったプレゼントを見せた

それは

「服?」

純白の服であった

(可愛い)

それはアリアの趣味にドンピシャの素晴らしいプレゼントであった

「ファイヤー・ショット」

そして服に火が付けられた

「さっ、アリア。こんなゴミなんかよりもいいものあげるわ」

「ぇ?」

服の火は燃え広がる

「誕生日おめでとう!!!」

しかしこの孤児院の暖かな雰囲気は鎮火していきついに燃えつきるのであった

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