第5話
現在、1時間前程に知り合ったばかりの女の子を親に紹介している最中である。
―――一時間前―――
俺は名も無き少女に名前をつけた。
彼女はそんな名前を気に入っており、今も幸せそうに微笑んでいる。
そんな彼女をずっと見ていたいが、その気持ちを抑え、
聞いておく必要があることを聞くことにした
「零無、自分の家はあるのか?」
流石にあるとは思っているのだが、まさかホームレスじゃないだろうな。
きょとんとしながら、「そんなものないよ?」と言われてしまった。
名前がないからもしや、と思ったが、改めて無いとなると、混乱が隠しきれなかった。「これからはどうするんだ。家がないと何かと不便だぞ」
家がないと不便なことは確かだ。間違ったことは言っていない。
「じゃあさ、佐々木君の家に住まわせて。」
衝撃の発言だ、最低でも女の子だろう、簡単に男の家に行かせてなんて言うもんじゃない。ましてや、住みたいなどと言うなんて。それを理解しているのだろうか。
「いや、ダメだろ。」否定の言葉をちゃんと伝えた。
零無は「うーん、なら今日は野宿かなー。」と言い出した。
野宿で、女の子一人は良くない。
「しょうがない、今日は俺の家に泊まれ。
ただ!住まわせると入ってないぞ!」
零無は「やった〜!」と喜んでいた。
ただ泊まるだけなのにやけに嬉しそうだな。
そういえば荷物は持っている感じはないのだが、どうしたのだろうか、何処かに置いているのか?
「荷物は?」
「えっとねー、私の格好で終わり!」
「てことは、荷物はこの身一つってことか。」
「そーいうことー。」ビシーっと指を指してきた。
なんだそれ。
「とりあえず、家に行くか。」
「了解ー」
俺の家はここから歩いて数分のところである。
何か話したりした訳じゃないが、いつもより感覚的には早く着いた。
「ただいま。」「お邪魔しまーす」
俺と零無は俺への家へ入っていった。
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