第7話 着替えはアノ方々が持っていました
村の男は14人が犠牲なった。俺たちの所に村長が来る。
「犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。」「ありがとうございます。おかげで村は救われました。」
「しかし、男手のほとんどを失ったのではないのですか。」「はい、それでも助け合って生きていきます。」
「倒した魔物の魔石は村で回収してください。」「しかし、倒したのはアニエス様とアニタ様ではないですか。」
「私たちの仕事は調査ですから気にしないでください。」「ありがとうございます。」
シルバーグリズリーは5、60匹いたはずだ。これだけの魔石があれば働けなくても冬は越せるだろう。
俺はシルバーグリズリーの血を浴びて血だらけになったため、村長に家で水を借りて体を洗う。服と甲冑の汚れは仕方がないので我慢する。
俺が村長の家から出てくると応援の冒険者が来たと知らせが来る。
俺は獲物が無くなって済まない気持ちになる。アニタは冒険者が来るのが遅いと言う感じだ。
「いまさら、アニエス様が血で汚れてしまったではありませんか。」「アニタ、穏便に行こうね。」「はい。」
冒険者の声が聞こえてくる。
「もう終わってしまったのか。たくさんいると聞いたぞ。」
聞き覚えのある声だ。アニタが声の主に向かって走り出す。
「遅いですよ。アヒムさん。」「アニタ嬢か。アニエス様もいるのか。」
「アニエス様は血まみれになってしまいました。」
アヒムたちが青くなる。
「ケガはひどいのか。ディルク頼むぞ。」「アニエス様にケガはりません。魔物の血で汚れてしまったのです。」
「脅かすなよ。戦えば汚れるだろ。」「いいえ、アニエス様はこのようなことはありませんでした。」
アニタは言い切るが、俺は何度も死にかけている。俺が彼ら「アニエス様をあがめ隊」に近づくと俺を憐みの目で見て口をそろえて言う。
「これはひどい血だらけだ。アニエス様、おいたわしい。」「これでも体は洗いました。着ているのものは仕方ないでしょ。」
「大丈夫です。こんなこともあろかといつもアニエス様の服を持ち歩いています。」「そうなのですか。」
こいつらいつも持ち歩いているのか。それも俺のサイズを知っているらしい。どこからそんな情報を得ているのだ。
ちょっと気持ち悪いが服を借りることにする。「アニエス様をあがめ隊」の面々は涙を流して喜ぶ。
服は白いフリルの付いたワンピースだ。俺はこういう女の子をしている服は好まないが仕方がない。
俺たちは、一度町に戻ることにする。当然、「アニエス様をあがめ隊」は俺たちについて来る。
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