第11話 父、心配する

 衛兵から報奨金がもらえることになる。青年たちの中に懸賞金が懸けられている者がいたのだ。俺はベンを受取人にする。ベンは俺に言う。

 「俺たち受け取れません。やっつけたのはアニエス様とアニタ様じゃないですか。」「私たちはいいから平等に分けて生活の足しにしなさい。」

 「はい、ありがとうございます。」

俺はアニタにも言う。

 「今日は大変でしたね。木剣で真剣の相手をするのは大変でしょ。」「いえ、ちょうどいいハンディです。」

アニタはさらっと言ってのける。彼女はかなり腕を上げているのだろう。

 俺たちは屋敷に帰ると父が待っている。

 「お父様、今日は早いのですね。」「アニー、聞いたぞ。西地区のごろつきどもを壊滅させたらしいな。」

 「はい、衛兵に引き渡しました。」「けがはないか。アニタも大丈夫か。」お父様、大丈夫ですよ。」「ジルベール様、心配に及びません。」

 「そうか、ならいいんだ。私は心配して思わず帰ってきてしまったぞ。」「すみません。心配をおかけしました。」

 「無事ならいいんだ。」

俺はこれから父を何かい心配させることになるだろう。

 翌日も俺たちは裏通りに行く。するとベンたちが集まってくる。俺は彼らに言う。

 「昨日の次に悪い連中を教えてください。」「アニエス様は何をするつもりですか。」

 「街の掃除をします。」「それは無理です。」

 「どうしてかしら。」「街中に食べられない人や悪いことを考える人がいます。」

 「それを一つづつつぶしていきます。食べられない人で改心した人には生きていくすべを考えます。」「はい、力になります。」

 「お願いします。」「次は北地区の少年たちだと思います。」

 「人殺しとかしていますか。」「分かりませんが大勢で大人を襲ったりして、かなり乱暴です。」

 「血の気が多いのですね。私に考えがあります。」

俺はベンに策を授ける。北地区の少年たちを集めて一網打尽にするのだ。

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