第11話 下級魔法士になる

 俺は、両親にファイヤーボールとウィンドカッターを見せる。2人は驚きながら喜んでいた。ローズは授業が終わると俺に言う。

 「下級魔法士の申請書を書いておくね。」「先生、ありがとうございます。」

 「2週間位で認定書が届くと思うわ。」「はい。」

父がローズに少し困ったように言う。

 「アニーはまだ3歳ですから申請書とか認定書は分からないと思います。」「それもそうですね。アニーと話すと子供と言うことを忘れてしまって、すみません。」

 「いえ、私も3歳と言うことを忘れてしまいそうですよ。あはははー」

俺の子供の真似は不完全らしい。それにしても父は能天気だ。母が言う。

 「アニーは頭のいい子ですよ。少しくらいは大人びて見えますわ。」

ローズと父は母の言葉に納得する。そして、俺は下級魔法士の認定書が届くことを待つことになる。

 それからは、午前中に魔法の授業をして、家族とローズで夕食を食べて、ローズが授業の話をすることが日課になる。

 魔法の授業は順調だ。俺もたまには失敗する。この前は頭上に出来るだけ大きなウオーターボールを作ろうとして、コントロールに失敗して、俺とローズは水をかぶってしまった。

 濡れてしまった俺たちは一緒に風呂に入った。もちろん女どおしだから問題ない。まあ、俺にとってはご褒美である。

 すぐに2週間はたち下級魔法士の認定書が届く。両親はお祝いをしてくれて魔法のステッキをプレゼントしてくれる。

 ステッキは長さ30センチくらいで3歳の俺でも片手で持つことが出来るそして握り手の先に赤い宝石がはめ込まれている。

 そう言えば俺、ステッキを使ったことなどないし、ローズもステッキを使っているところは見ていない、父が俺に言う。

 「戦う時は、このステッキをパパだと思って使いなさい。」「お父様、ありがとうございます。」

 「先生、ステッキを使っていませんね。」「持っていますけど、授業は初歩の魔法ですので使いません。」

 「見たいです。」「では、部屋から持ってきます。」

俺は魔法少女のステッキを期待する。キラキラカラフルなやつだ。ローズはステッキを持ってくる。

 大きい、長さは180センチくらいある。先端に大きな赤い宝石が付いていて、宝石にはどうやって描いたのか中に魔法陣がある。

 「すごく大きいですね。」「上級魔法士になった祝いにもらったものよ。」

 「大きな宝石に魔法陣がありますけど。」「これは魔法を強化する機能があるのよ。」

 「先生にかなう魔法士はいませんね。」「そんなことないけど、国で屈指の魔法士の1人よ。」

ローズはこの国で最強の魔法士の中に入るらしい。俺はローズより強力な魔法を使わなければ、とりあえず良さそうだ。

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