第9話 キャリブレイト

 ローズはしばらく固まっていたが突然、俺の方に振り向くと左目を左手でふさぎ魔法の詠唱を始める。

 「霧を晴らして真の姿を示せ。キャリブレイト」彼女は俺を右目で見る。

 俺は彼女が何の魔法を使っているのかわからない。

 「先生、何をしているのですか。」「アニーの魔力の大きさを見ているのよ。」

まずい、俺の隠している魔力の大きさがばれてしまう。俺は焦る。彼女が俺に言う。

 「アニーの魔力は大きいわ。」

ばれてしまったか、どうする。

 「私と同じくらいの大きさよ。」「えっ。」

これはどういう意味だ。女神テイアに聞くことにする。

 (テイア様、俺は普通の人の10倍の魔力を持っているんですよね。)(ええ、およそ10倍よ。)

 (ローズも10倍の魔力を持っているんですか。)(いいえ、彼女は2倍ね)

 (ローズは俺の魔力を測り間違えたのですか。)(それは、あなたが魔力を抑えていたからよ。)

 (それじゃあ、ばれないためには魔力を抑え続けないとだめですか。)(無詠唱で魔法を使えるようになったんだから練習すれば普段から魔力を抑えられるようになるわよ。)

 (簡単に言ってくれる。)(何か言った。)(何でもありません。)

と言うことは、俺が魔力を抑えていたから、たまたまばれなかったのだ。

 「アニー、あなたは天才よ。」「へっ。どういうことかしら。」

 「アニーはすごいということよ。ご両親に報告しないといけないわ。」

ローズは嬉しそうに笑う。こうして1時間が経ち初めての授業は終わる。

 俺はキャリブレイトについて調べることにする。部屋に戻ると「魔法の基礎」のページをめくって調べるがキャリブレイトは乗っていない。

 書庫へ行って、キャリブレイトが載っている本を探す。午前中は見つからなかった。昼食後、再び書庫へ行って探すと見つかる。

 キャリブレイトは探知系の魔法で魔力を色で判断するらしい。魔力の無いものは青く見え、大きくなるほど赤みを帯びていくらしい。

 詠唱は「霧を晴らして真の姿を示せ。キャリブレイト」で相手から感じる感覚を目に映すイメージで発現する。

 俺はクロエを見て試してみる。頭の中で詠唱「霧を晴らして真の姿を示せ。キャリブレイト」そしてイメージ、あれ服が透けて見える。クロエ済まない。

 これはローズで試してみるしかない。俺はローズの部屋へ行く。

 「先生、なにしているの。」「魔法の勉強をしていました。」

 「勉強楽しい?」「楽しいと言うより好奇心かな。」

俺はキャリブレイトを試してみる。ローズの服が透けて見える。彼女はスレンダーな体だった。俺はわがままボディが好きだが、かわいいので許す。

 「アニー、今、魔法を使ったでしょ。」「はい、キャリブレイトを使ったら服が透けて見えました。」

 「それはキャリアブルよ。よく似た魔法なの。」「頭の中で詠唱しましたよ。」

 「イメージが間違っているのね、相手の気配を感じて目に映すのよ。」「分かりました。」

頭の中で詠唱「霧を晴らして真の姿を示せ。キャリブレイト」そして、ローズの気配を感じるイメージ。

 ローズが赤く染まって、揺らめいて見える。ローズが俺に聞く。

 「アニー、どお見える。」「先生が赤く染まって、揺らめいて見えます。」

 「キャリブレイト成功よ。」「先生、キャリアブルも教えてください。」

 「キャリアブルは女性の裸を見ようとする変態の使う魔法だから覚える必要ありません。」「はい。」

俺は変態なのだろうか、でも俺は今、女の子なので許されるのではなかろうか。

 「アニー、今、キャリアブルを覚えようと考えたでしょう。」「そんなこと思っていませんわ。」

今、心の中読まれたのか。まさかそんなはずはない。偶然、偶然・・・

 俺はローズにいろいろ悟られないように退散することにする。

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