怪談「スガタミズバシ」④

何か起きたとすれば、橋を渡り終えようとした時でした。


「あれ、何?」


誰かが川の方を指し示しながら言います。

夜の神田川は街灯の光があっても尚ほの暗く、大型の鳥が水ごと魚を捕っては嘴下の大きな袋に貯め、水だけ吐き出す時のゴボゴボという音が嫌に不気味に感じられました。


みんなはそこに在るものにすぐ気付いたようでしたが、私は少し遅れました。

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