第10話

「で?馬車もどっか行ったしこっから、町にどう戻るよ」




人探すにしても、戻れる限度ってもんがある馬車だと早いのに、徒歩だとアホみたいに時間かかるのは、あるあるだろう




「ここからだと、アルア町が近いですね」




ユリカは、手のひらから地図を浮かび上がらせていた。そうかこれが噂に聞く




「探索家魔法か、それ?」




これを見ている人は、知らないと思うので、補足しておくと魔法は原則1人につき一つの魔法シリーズしか扱えない、俺であれば、炎系でネコクサは、氷系とかだ




「まあ、トレジャーハンターだし使ってて当然よ」




胸を張っているが、冒険家系は探索には強いが、戦闘となると武器で戦うしかない、他のやつにバフをつけることもできないとまぁやばいもんだ




「そうかで、そのアルアって町は、徒歩でどれくらいかかる?」


「5時間くらいですな」




地図魔法にはカーナビみたく、そこへ向かう距離と時間が表示されている。ホントにそんな時間かかるのか、だるい




「はぁ仕方ないか行こう」




――――――――――――――――――――――――


ネコクサの場合




「ねぇあんた、あれなにか知ってる?」




眼の前には、にゃーと同じく4剣のひとりオートクレールが座っていたにゃ




「しってるわけにゃーよ、あの方に言われたから取ってきたってだけで」




天命の時計、名前だけでは考察の余地もないただ、あの魔具にはなんの痕跡もなかった。つまりは




「あんた、シュツランを解剖する欲求に、よくも打ち勝てたねぇ」


「にゃーを娩出者みたいに言わんでほしいにゃ―」




にゃーには、もうそれしか残ってないってだけで




「ピンポーン定期連絡の時間です。」




そのスピーカーからは、いつも通りのシステム音が流れていた。あの方の長ったらしい雑談が始まる誰もがそう思っていた。




『現在ユリカと言われる。人物を捜索している。全員は即刻探し次第連れてきてほしい』




ユリカってまさかあのこ?でもなんで?

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