第4話 使いよう

「不死身ねぇ胡散臭いけど、眼の前でやられたんじゃ信じるしかないわね」


まぁ口頭で、言っても信じるやつはほとんどいないどころか、やばいやつだと思われるからな、まぁ慣れているからいいけども、と自問自答していると、ユリカがまたしても先へと進んでいた。全く学ばんのか?


「なんかいま、足元が沈んだんだけど?」


ユリカの足元には、明らかにトラップですよと言わんばかりのスイッチが押されていた。あれだ感圧式かんあつしきとか言うやつだ。全く世話の焼けるやつだ。


「なんか音がしない?」


ユリカの言う通り、そこら辺から音が聞こえる。まるでそう球体の何かがこちらに向かっているような………あれもしかしてよく見るあれが見れるんじゃないのか?その矢先当たらずとも遠からず。目的のものがやってきた。


「まさか、岩じゃなくてトゲ鉄球かよ」


受け止めようともしたが、冷静に考えると、俺が行動不能になる。ユリカを放っておいたら何されるかわからん、仕方ないあれを久しぶりにやるか。右腕についている魔具ヴェンデッタのスイッチを押し、詠唱を始める


殲滅火炎撃ディストーション


俺の左手から放たれたバーナーめいた炎により、眼の前の鉄球は赤く発行して、どろどろに溶けた。科学の授業で習う溶解というやつだ。


「魔法の炎だけで、鉄が溶けるなんて聞いたことがない。」


この世界は、ちゃんとした魔法使いでないと、魔法の威力がかなり制限されている。炎だって頑張ってもガスコンロ程度の火力しか出せないが、しかし稀にその制限を、膨大な魔力で破壊するものがいる。シュツランはその一人だ


「あんた。あのレベル大魔法使いなの?」

「命を魔力に変換へんかんする魔具ヴェンデッタを、使って、一時的に上限を破壊しているんだ。」


普通の人間からしたら、致死量の命も不死身であるシュツランには、関係のないため無制限に、魔力を生み出すことができるのだ。


「なるほどねヴェンデッタか、この先にあるのもそんな強力なのがいいな」

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