一寸法師

 むかし昔あるところに、子供が欲しいお爺さんとお婆さんが居ました。

 お爺さんとお婆さんは「小さくても良いので子供が欲しい」と神社に御参りしたところ翌日――


 本当に小さい子供。身長が一寸(約3センチ)しかない「見た目は子供、頭脳はコナン」その名は一寸法師が爆誕しました。


 一寸法師は次の日から早速、謎の暗号を解いたり、密室殺人事件を解決したり、キック力増強てぶくろを開発したりし、名探偵としての地位を欲しいままにしていました。


 そんな一寸法師も、変な薬を飲まされて自分をこんな小さな身体に変えた、黒ずくめの組織をそろそろ叩き潰そうと考え、京の都へ行く事を決めます。

 なので一寸法師は腰に針の刀(麻酔薬付き)を差し、ターボエンジン付きスケートボードに乗って京へと向かいました。


 京に着いた一寸法師はすぐに毛利探偵事務所を見つけ住みつきます。

 そして翌日からは早速、事務所の所長である毛利小々しょうしょう五郎ごろうを麻酔薬の付いた針で眠らせては、蝶ふんどし型変声機を使って小々五郎の声色をマネして名推理ではなく浮気調査や迷い猫探しをして生計を立てていました。


 そんなある日。毛利小々五郎の娘である毛利蘭々が「トイレが綺麗な事くらいしか自慢するところがないコンブ出汁工場を見学したい」というので一寸法師はお供をする事になります。見学自体は滞りなく無事済んだのですが――その帰り道。


 一寸法師は因縁の相手。黒ずくめの組織の一員である黒鬼の「酢」と「みりん」に出会でくわします。

 以前は不覚をとった相手ですが、今回は小さくなっていた事が幸いしたか、それと蘭々の戦闘力が並外れて高かった、更に桁外れに高かった、そして季節外れに高かったせいか、一寸法師は特に何もする事はなく、蘭々の肩に乗ってスマホで副業してる間に蘭々が黒鬼二人を退治してくれました。


 すると黒鬼の黒酢と黒みりんはお詫びの品として蘭々達に、どんな願い事でも叶うという「うんちの小包」ではなく「打ち出の小槌」を置いて逃げて行きました。

 なので蘭々は打ち出の小槌を振りながら一寸法師に「大きくな〜れ〜大きくな〜れ〜」と言うと一寸法師はたちまち大きくなって、元の高校生探偵ではなくトイレが綺麗な事くらいしか自慢するところがないコンブ出汁工場の探偵「工場 新一」に戻る事ができ、その後は蘭々が黒ずくめの組織を叩き潰してくれましたとさ。


 新説一寸法師……略して「新一 寸法師」。めでたしめでたし。

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