真・織田信長ゲーム
そんなこんなで織田信長ゲームに白熱する二人であったが、ここで村人Bが神妙な面持ちで思索に耽たかと思うと。
「待って下さいあーさん。私もしかして、この織田信長ゲームの真髄に気が付いちゃったかもしれないです」
「織田信長ゲームの真髄? なんだそれは?」
村人Aが頭に疑問符を浮かべていると村人Bは。
「織田信長ゲームって、何を言われても『織田信長』って答えるワケじゃないですか? これ……逆にお題の方を固定して、お互いが自由に答えて相手を笑わせたりツッコミ入れさせる方がゲーム性が上がりませんかね?」
「お題の方を固定……?」
呟きぼんやりと空を眺める村人Aだが――
――世間ではそれを大喜利と呼ぶ。
しかしそれに気が付いていない村人Aは視線を戻し。
「見当は付くが実際にやってみないと良し悪しはわからんな? 一つやってみようではないか?」
これに村人Bは顔の前でポンッと手を鳴らし。
「さっすがあーさん。じゃあ私がお題を出す番だったので、まずは私がお題を決めますね? え~っと……織田信長らしく~織田信長と言えば~あ、そうそう本能の変態!」
「本能の変態ではない本当の変態だ。いや……それも違うな? あ、本能寺の変か」
「あ、そうそう本能寺の変でした! じゃあお題は『織田信長に謀反を起こした明智光秀。その理由とは?』でどうですか?」
村人Aはアゴを一撫でし。
「ほぅ? 面白そうなお題だな? 良し。くるが良い村人Bよ」
「はい!」
村人Bは返事をしてから――
「織田信長に謀反を起こした明智光秀。その理由とは?」
「自分のふんどしと信長のふんどしを一緒に洗濯されたから」
「年頃の娘かっ!」
村人B。速攻でツッコミを入れる。
「殿の
尚、鼻息を荒くする村人Bだが、答えた村人Aは至って落ち着いて。
「落ち着け村人B。もしやお前も同じ理由で父親に謀反を起こしたクチか? いや、そんな事よりここは私の勝ちという事で良いな?」
これに村人Bは頬からアゴへと垂れる汗を片手で拭いつつ。
「えぇ、正直参りましたよ。次、なんとしてもポイントを取らないと私の負けって
事ですよね?」
「そういう事だな。ではお題に行くぞ?」
と村人Aは言うと。
「織田信長に謀反を起こした明智光秀。その理由とは?」
「LINEを既読スルーされたから」
――瞬間。村人Aは机を叩き。
「殿の
村人Aの神速のツッコミが炸裂。
※ 因みに明智光秀は生没がハッキリはしていないが、織田信長より年上なのはほぼ確実なので明智光秀の方がよりおっさんです。
――という事をこの二人が知っているのかどうかは定かではないが。結局二人ともツッコミを入れてしまい、時間もきたので真・織田信長ゲームという名の大喜利は引き分けで終わった。
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