学校の冗談
まだまだ続く無味無臭の七不思議。
リーダーの学校の四つ目の怪談。ひとりでに動くブランコの話だが……
「てゆーか空中を旋回してる少女だけでも立派な怪談じゃない? 寧ろ空中ブランコが見えちゃった方がなんか微笑ましくて怪談じゃなくなる気がするんだけど?」
これを言ったのは香織で、勿論答えるのはリーダー。
「まあ、確かにな。実際その少女は『トイレの
「いやトイレ関係ないじゃん」
とジト目で頬に汗を垂らす香織だが。
「そうでもないぞ? 実は『トイレの
「やっぱトイレ関係ないじゃん!! いやあるのか……?」
頭に特大の疑問符を浮かべる香織であった。
そしてようやく話は次に進み。
「次に五つ目だが、これは風も吹いていないのに勝手にメリーゴーラウンドが回る、動くというものだ」
「空中ブランコにメリーゴーラウンドはもう完全に遊園地なのよ。そもそもメリーゴーラウンドはブランコと違って風で動いたりするレベルの物じゃないじゃん」
「ああ、だから良く見たら全部本物の馬だったらしい」
「生の馬だったらメリーゴーラウンドどころか怪談ですらない!」
なので本物の馬がメリーゴーラウンドに見えるという怪談だった。……らしい。
そして。
「次に六つ目だが。俗に言う『13階段』というヤツだな。普段は12段の階段だが、夜中に1段1段スマホのアプリで数えると13段になっているというヤツだ」
「地味過ぎないっ? 階段の数かぞえるだけのアプリって地味過ぎてどこに需要があるのかわからない! しかもそのアプリ対応の怪談話って更にどこに需要があるのかわからない!」
香織の言う事は尤もだが、香織以外の無味無臭のメンバーが今必要としているのかもしれない。
そして次は七不思議の七つ目。
「次に七つ目だが。七つ目は『メリーさん』だな」
これに香織は小首を捻り。
「ん? メリーさんてあの〜電話で『私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの』って言ってくるヤツ?」
「そう。その『私、メリーさん。今、あなたの電話がうしろにあるの』というヤツだ」
「今なにで会話してるのメリーさんっ!?
目を丸くする香織だが、リーダーは静かに首を縦に振り。
「ああ、直だ。……スマート直接フォンだ」
「どっち! 略したら結局スマホッ!」
略したら結局「直接」でもある事には言及しない香織。
――に。畳みかけるかリーダー。
「因みに七不思議の八つ目は四天王が五人いるだ」
「八つ目! 七不思議が八つで四天王が五人ってもうメチャクチャだよっ!」
……という不思議な話でした。
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