白雪姫 女王編

 昔むかし、ある国にとんでもなく美しい女王様が居ました。この女王様はどんな質問にも正直に答える魔法の鏡を持っていて、隙あらば鏡に――

「鏡よ。この世で一番美しい女性は誰?」

「それは女王様です」

 というような質問をしていましたし、他にも。

「問題。こんなラーメン屋は嫌だ。どんなラーメン屋?」

「客席よりトイレの方が数が多い」

 や

「問題。こんなアイドルグループは嫌だ。どんなアイドルグループ?」

「キャッチコピーが『ブサイクの公式ライバル』というアイドルグループ」

 と魔法の鏡に大喜利をやらせて遊んでいました。


 しかしそんなある日。女王がいつものように誰が一番美しいか質問をすると――

「それは白雪姫です」

 という答えが返ってきました。無論、この白雪姫というのは女王の娘の事で、この答えに女王様は――

「ほぅ? 流石は我が娘といったところね? この世で最も美しい私の最も美しいDNAを引き継いだだけの事はある……」

 と呟く女王様でしたが、よくよく考えると鏡が故障しているだけの可能性もあるので別の質問もしてみます。


「鏡よ。この世で一番賢い脳筋は誰?」

「女王様。脳筋に賢い奴など居ません」

(うむ。確かにその通り……しかし念のためもう一つくらい質問をしておきましょう)

「では鏡よ。この世で一番美しい脳筋は誰?」

「それは女王様です」

「ふむ。これは鏡が故障している訳ではなさそうね?」


 ――という事で鏡が故障していない事を確認した女王様はすぐに部下である7人の小賢しい人……略して7人の小人を呼び寄せました。理由は7人の小賢しい人に白雪姫を鍛えさせて自分自身、つまり既に美貌では女王様を超えた白雪姫をそれ以外――例えば女子力や素手で虎を倒す武力、或いは宇宙から飛来したナマコを素手で倒す武力や異世界から来たナマコを素手で倒す武力などの全てにおいて女王様自身を超えさせるためにでした。


 因みに7人の小賢しい人とは「先生」と呼ばれるドッグ、「ごきげん」の異名を持つハッピー、「ねぼすけ」のスリーピー、「餃子は羽がメイン」だと思っているドナルド・マクドナルド、「なんか小さくてかわいいやつ」のクサデブ、「レディースデイがあるのにおじさんデイがない」事に憤るマリー・アントワネット、「海賊王におれはなる!」名探偵コナンの7人で、白雪姫はこの7人と修行をするためしばらくの間はお城を離れて森に住んで修行する事になりました。

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