第29話

俺は久しぶりに学校に来た。


「ゆ、優。ひ、久しぶりだね」


さっそく、元カノが俺に話しかけて来る。


「・・・そうだな。」


元カノを見ると嫌な記憶を思い出す。


もう付き合って幸せな頃、


もう昔のことで、少し前までは、復縁して元に戻るかと思ってたけど、完全に過去の話になった。


「・・・優・・・聞いたよ。家族のこと」


「そうなんだ」


「だから、その・・・」


「マフラー」


「・・・っ!」


「マフラーある?汚れたままで良いから、返して欲しい。誰かが持って居るなら教えて欲しい」


「・・・そ、それは」


「それは・・・」

花は答え辛い顔をして居る。


「優、ごめんね。本当にごめんね」


花はしゃがむ。そして涙を流して、


どうして、そんなことをする。俺のことが嫌いじゃないのか?まさか今頃同情して居るのか、そして、まさか


「まさか、捨てたのか」


「・・・うん」


「・・・・・・・・・・・・・・・・何してんでよ。クソが」


優はそう言って花の横を通り過ぎる。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」


花は謝り続けた。

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