第4話

「ごほっ、ゴホッ」


「大丈夫か?」


「うん、大丈夫だよ。それよりお兄ちゃんこそ、大丈夫なの?」


「大丈夫って何が?」


「彼女さんのこと」


「・・・っ」


「最近、全然話題に出てこないよ。もしかして、お兄ちゃん別れたんじゃないの?」


「・・・そんなことはないよ」


咄嗟に嘘をついてしまった。最近はよく妹に嘘をついてしまう。


すぐに良くなるとか、お母さんは元気とか、今までは全く妹に嘘をついたことがないのに、


「そっか、なら良いんだけど。もしかして、お兄ちゃん、私のことばっかりで彼女さんとあってないんでしょ」


「・・・っ」

ギクッ、流石妹だ。バレているのか、


「・・・あー、それは本当みたいだね。ダメだよ。お兄ちゃん」


「ごめんなさい」


「まぁ、私もお兄さんが来てくれるのは嬉しいけど、お兄ちゃんの関係が悪くなるのは嫌かな」


「でも、それなら、俺は一緒に居たいし、」

もしかするともう時間だって


「そうかも知れないし、私も最後の時間くらいはお兄ちゃんと居たいよ。

そんなこと、言わないでくれよ。


「でも、私はどこまでもお兄ちゃんを思って居たいし、これからも思ってあげる」


「・・・っ」

優しく妹に包まれる。


「だって、私のお兄ちゃんだもん。」


妹・・・


「それに、お兄ちゃんしか私には仲がいい人がいないからね」


「そ、それは」


「半分冗談。でもいいの。私にはその唯一がすごく大切で優しいお兄ちゃんだったから」


花には、申し訳ないけど、俺はやっぱり間違ってなかったと思ってしまった。



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