第356話 魔力の暴走
ハデスに大量の魔力が降り注ぎ、苦しんでいる姿が見て取れた。
「エレボス!あなた、自分の主に何をしているの!!」
「なにって、我が王にご助力しているだけですよ!魔力が尽きては、我々は死んでしまう、だから生きてもらわねば!」
「エレ、ボス、私は、そんなこと、頼んでいないぞ!」
「いいえ、望まなくてはいけないんです。これは私の一存ではありませんので、ご理解ください!」
バゴーンッ!
更なる魔力がハデスに注ぎ込まれる。
「やめて! 撃ち抜け、空の彼方まで!
シュインッ!
バゴーンッ!
魔銃に込められた弾丸が、エレボスを襲う。
「うぐっ!」
エレボスからの魔力供給が無理やり止められる。
「余計なことをするな、レイヴァー!」
「エレボス、貴様は私達が相手しよう!行くぞ!サリ、リィン、ノエル!」
「了解!」
ズザッ!
ガギーンッ!
ミラたちは、エレボスとの戦闘を始めた。
「お前たちに構っている暇はない!邪魔をするな!」
「オーガキングの時のように、あなたに好きはさせない!
シュンッ!シュンッ!シュンッ!
不規則なダガーの切り刻みが、エレボスに傷を生み出す。
「そんな浅い攻撃で倒そうなどと!」
「その切り口は、君にとって重大な傷だよ。
ドスンッ!
3本指に全力を集中させ、エレボスの体中に激しい衝撃を送る。
「ぐはっ、なめたことをしてくれる!」
ガギーンッ!
炎の剣を生み出し、サリアとノエルを吹き飛ばす。
「うはっ、瞬間的に魔力を剣の形にした、普通の体じゃないみたい。」
「ならば、作られる前に攻めればいいことだろ!
グルンッ!
ガギーンッ!
魔力の炎の剣を霧散させ、連続で回転斬りを浴びせる。
「ちっ、馬鹿力女が!」
「誉め言葉だよ、そして!」
「あたしも忘れないでください!
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
空高く飛び、鋭い槍の雨をエレボスに直撃させる。
「ぐはっ!」
ドダンッ!
エレボスは地面に叩きつけられる。
「ちっ、邪魔ばかりするなよレイヴァー!もうすぐで、もうすぐで新しい世界が誕生するというのに!」
「その世界を望んでいない人達も多くいることを知れ、私たちは多くの人がお前たちのエゴによって死んでいく姿を見た。皆、絶望していた。」
「そんな人たちを、僕達はもう生み出したくない、そのためにここに来たんだ。」
「白き世界は、アトランティスを助ける最後の手段なんだ!それを理解できないお前らのような奴が多いから、この世界は廃れていくんだ!」
「あくまでさ、世界を変えたいって言うんだよね。」
サリアがエレボスに近寄る。
「そうさ、この世界を変えて我らが管理しようというのだ!この世界が、歪んで終わりを迎えることがないように!」
「だったらどうして、自分の意見を押し付けるだけで、周りの意見を聞かなかったの!」
「はぁ!?」
「あなた達魔族が必死に生きているように、人族も、エルフも、巨人族も、必死に生きている。それがアトランティスなんだよ、それなのに何で勝手に決めつけようとするの!」
「劣等種の言葉を聞く耳など持ち合わせていない!我ら魔族が頂点に立てば、完璧な世界が出来上がるんだ!」
「いい加減にしてください!あなた達は、何で気づけないんですか!!」
リィンが声を荒げる。
「なんだと。」
「優秀だとか劣っているだとか、ふさわしいふさわしくないはどうでもいいんです!分かり合おうとしないと、お互いが歩み寄らないと、理解できないのが人間なんです!」
「そんな時間はない、無駄な時間が世界を蝕むからな!」
「そんなことはありません!あなた達は、怖がって逃げているんですよ、否定されることが、敵対することが怖くて押さえつけようとしている。それじゃあ、自由のない生き辛い世の中になってしまいます!」
「だからなんだ、我らの未来の国には、選ばれた者しか存在しない。故に、そのような心配をする必要はないのさ!!」
ズザッ!
エレボスは両手に魔力を溜める。
「もっと話し合いをしたいだけなのに、武器を取らないと話し合えない世界なんて、サリアは1番嫌だな。」
「なら我らに従えばいい!そうすれば、ゴーレムでもオーガにでもなって生き続けられぞ!」
「それじゃあ意味がないんだよ。あなた達は、自分たちの足で歩いていると錯覚しているだけ、真実はあなた達にも見えているはず。」
「なんだと、エルフ、何が言いたい!」
「簡単なことだよ、あなたは、あなた達はずっと!ハーデンに利用されているんだよ。」
「っ!?」
エレボスとサリア達の言葉のぶつかり合いは熱を帯びていた。
が、サリアの一言でエレボスは何か引っかかるものがあったように見えた。
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