第18話 敵に回しちゃいけない人
扉が壊され、そこには鬼の形相で『MDC』のシュウさんが立っている。これにはチャラ男達三人も目が点になっていた。
「彩ちゃーん!」
「みっくーっ!」
彩さんは隙を見て逃げ出し、未来姉に抱きついた。
シュウさん、チャラ男達三人の前に仁王立ちして、低い声で、
「お前達、……俺の連れに何してんだ?」
「なっ、何もしてませんっ! バンドのメンバーに誘ってただけなんです!」
半泣きになり、
……よく言うよ、鍵掛けてただろ? 俺はあの時の録音していた会話を再生した。
※
「……お前達、クズだな!」
シュウさんが睨みつけると三人は慌ててその場で土下座をして、
「すみませんでしたっ! 許して下さい!」
床に頭を擦り付けて懇願した。そしたら未来姉、ソイツらの所にたたっと走って行き、落ちていたスリッパで三人の頭をバシバシ引っ叩いて、
「シュウさんに謝ってどーすんのよっ! 彩ちゃんに謝りなさいよーっ! あとちょっと遅かったら犯罪なんだからねーっ!(怒)」←既に犯罪
未来姉……、シュウさんでさえ手を出してないのに暴力はダメだよ。
「彩、悪かった、許してく……」
言い終わらない内に彩さん、未来姉からスリッパを奪って三人を叩き出した。
「どれだけ怖い思いしたか分かってるのぉーっ!!!」
泣きながら何度も何度も頭を叩き続ける。
騒ぎを聞きつけた先生達、野次馬が集まってきた。
シュウさんは泣き崩れた彩さんを優しく抱き上げ、
「後は先生達に任せよう、……それとお前達っ、俺はここの卒業生だ! 次、俺の顔に泥を塗る様な事したら……、分かってるな?」
チャラ男達は涙と鼻水で顔がグショグショになりながらコクコクと首を上下に振り震え上がっていた。そりゃチビっちゃうよね! だってシュウさん、次は殺しちゃいそうな目ぇしてるもん……。
彩さんはよっぽど怖かったのだろう。その後腰が抜けて立たなくなってしまったのを、何とシュウさんがお姫様抱っこをしてそのまま俺達の居た控室まで連れて行ってくれた。
キャーーッッ♡♡
ウソーーッッ!!
彩さんを抱きかかえたシュウさんの前にまたもや一本の道が出来た(笑)
周りの女の子達からの羨望の眼差しと悲鳴が凄い! 流石カリスマボーカリストだよ!!
「怖かったよな、……もう大丈夫だ!」
さっきとは打って変わってシュウさんは、まるで王子様の様な眩しい笑顔で微笑んで、顔を近づけ優しい声で彩さんの耳元で囁いた。
「は、……はぃ♡」
おやおや彩さん、目がハートになってますよー!
※
その後、チャラ男達三人は他にも余罪があったらしく警察に捕まった。全くとんでもない奴らだ。
そしてあの時行われた発表会で俺達は最優秀賞を受賞した。シュウさんが審査員だったからゴリ押ししてくれたのかな? でも俺が見てた中でも一番盛り上がっていたから素直に受け取ろう(笑)
彩さんはシュウさんにあの時のお礼がしたいと未来姉に間を取り持ってもらい、食事に誘おうとしたんだけど、いざとなったら恥ずかしがってほとんど喋る事が出来ずに『また、今度な!』と、やんわりとお断りされたらしい。ドンマイ、彩さん!
そして、
「ねぇみっく、このまま私とバンド続けない? 一人でやるよりやっぱりバンドっていいなぁって思ったんだよね!」
すると未来姉は申し訳なさそうに拝むポーズで、
「……ゴメンね、彩ちゃん⤵︎ 私と悠真がバンドを組む人はもう決まっているから無理なんだ!」
「うわーん、こっちにもフラれたぁー!」
大丈夫だよっ! 彩さんならその内いい男といいメンバーが出来るよ! きっと。
そして、シンちゃんが帰って来るまで、……いよいよあと一週間!!
つづくー!
本編はここまでっ♪
🌸読んで頂きありがとうございました🍒
コメントの返信は日曜日になります
🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸
はい、『彩ちゃん編』終了です。『追放からのざまぁ』って、……こんな感じかしら?
お話的にはインパクト弱めですかね(苦笑)
散々匂わせといて彩ちゃんはメンバーにはなりません←ゴメンなさい! 未来達はスリーピースバンドです(笑)
そしてついにシンちゃんが帰って来ます!
言うても『シンちゃん』て誰……?
て事で次回から『シンちゃんのイギリス編』です!
まだ再会しないんかーい(笑)
みっくと別れてからのシンちゃんの成長を書きました。短い話ですけどコレ書いておかないと、いきなり帰って来て彼氏ヅラされたらシンちゃん反感買われちゃうからねー♪
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