ラブコメの悪役に転生した俺は痴漢からモブ美少女を助けた結果、世界の法則を見つけたので推しの後輩ヒロインの彼氏になるため頑張っただけなのに勝手に好感度爆上がり知らないうちにヒロイン達に囲まれたんだが……

🔥SOU🍨🔥12月06日より新作投稿開🐳

第一章 転生したら既にやらかしていたんだが

転生初日に痴漢からモブ美少女を助けたんだが

第1話



 目を覚まし、いつも通り洗面台の前に立つ。

そこには俺ではない少年・・が寝ぐせを付けてぼけーっと立っていた。

美しい黒髪、切れ長の瞳に整った顔付き、身長も体格もまるで違う。


「はぁ?」


 呆けたような声が口から洩れる。


「これは夢だ! うん……」


 っぺたを引っ張ってみるが、痛い。


 一体こいつは誰なのか?


 その時、俺は思い出した。

 

頬に広がる痛みと共に、記憶が鮮明によみがえってくる。

のことを―――


 耳を劈くような甲高い音がしたかと思えば、白い光に視界が奪われ体に何かが衝突した。

たぶんあれは電車だろう。

 別に飛び降りたとか、女子供を救助するために……と言った美談がある訳でもなく、かと言って迷惑行為をしていたという不名誉もない。

 

 多分、肩が当たってよろけただけ。

何とも間抜けな死に様だ。


「これってつまり転生って奴なのか? 

まぁ、より正確に言えば憑依ひょういだが……まさか自分が体験することになるなんてな……」


『転生』 肉体が死んだ後、魂が異なる肉体を得て新しい生活を送るという考え方で、近年の日本では様々な創作物の導入に用いられている。

 …つまりいわゆる俺TUEEE系とか、成り上がり系とかのアレだ。


 人間は慣れる生き物らしい。

到底受けれられないようなシチュエーションなんだが、足掻いても何も変わらないと判っている以上、現状を受け入れ適応していくしかない。

俺は意図せず「人生をやり直すチャンスを得た」と言う事になる。


 彼女も居なかった正に灰色の青春時代。

友人達とバカ騒ぎをした訳でも勉強に没頭した訳でもなく、ただ時の流れに身を委ね、チャンスが来るのを口を開けて待っていただけの臆病なあの時代。


 生きているのか? 死んでいるのかよくわからない人生だったが、折角手に入れたこの機会を逃すほど今の俺は愚かじゃない。


 ただ、一つ問題があった。


「この身体って『幼馴染を寝取られたので努力したらハーレムが出来た件』の悪役、真堂恭介しんどうきょうすけなんだよなぁ……」


 WEB連載していた当時から人気のあった作品で、漫画やアニメと言ったメディアミックスをしてソコソコのヒットを飛ばしていた作品だ。

 複数ヒロインが存在し、先輩、後輩、同級生、義姉と言った魅力的な女の子が多数登場するハーレムラブコメで大好きな作品だった。


 中でも特に後輩ヒロインが好きだった。

からかい上手な小悪魔、後輩ヒロインと言う属性自体を俺が好んでいたと理由もあるが、やはり一番はキャラの性格だ。

 優しくしてくれた主人公に一途なのはもちろんのこと、“人形”のようなご都合キャラではなく、しっかりとしたアクのある人間臭くも年相応に可愛らしいヒロインだった。

 

「って言うか、主人公に転生させてくれよ! こう言う転生系って『スパシン』とか『U-1ユーイチ』とか『HACHIMANハチマン』そう言う作者の都合メアよく動く理リー想の主人公スーをやらせてくれよ! なんだよ悪役って! どうせなら過去の自分にしてくれよ! 今なら高校時代もっと上手くやり直せるわ! 何なら、小学……いや中学校からでもいい上手くやって初恋のあの子が寝取られる前に奪ってやる!!」


 なんて言って見ても現実は変わらない訳で……


「やってやるよ! 俺はこの人生を生き抜いてやる!!」


 と宣言したところでガチャリと音を立てて洗面所のドアが開く。


「お兄ぃうるさい……なに朝っぱらから騒いでんの?」


「えっと……」


 見覚えのない人物の登場に俺は思わずたじろいでしまう。

 そこに立っていたのは一人の少女だった。


「てかさお兄ぃ・・・悪いんだけど、どいてくれない?」


「お、おう……」


 返事をすると体をひねって妹? をかわし洗面所を後にする。

 バタンとドアを閉めポツリと呟いた。


「妹?、美人すぎないか 

もしかしてこの世界ってみんな美形なのかも……」


 会話の流れから、さっきのは多分血の繋がった妹だろう。

とは言え、思い出も何もない今の俺からすれば、若くて綺麗な女の子に過ぎない訳で…


 少しワクワクしつつ、俺は一旦部屋に戻った。




============

『あとがき』


 読んでいただきありがとうございます。

 読者の皆様に、大切なお願いがあります。

 少しでも


「面白そう!」

「続きがきになる!」

「主人公・作者がんばってるな」


 そう思っていただけましたら、作品のフォローと、最新話ページ下部の『☆で称える』の+ボタンを3回押して「★★★」にして、評価を入れていただけると嬉しいです。


つまらなけば星一つ★、面白ければ星三つ★★★

読者の皆様が正直に、思った評価で結構です!


 多くの方に注目していただくためにも、ぜひ応援していただけると嬉しいです!


 誤字脱字報告、気になる点、感想は『応援コメント』へお願いします。

本日は四話、二週間は毎日二話更新予定ですのでよろしくお願いいたします。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る