第3章60話:劣勢
アリスティは、起き上がり、その攻撃を妨害しようと走り出す。
タイラントワーウルフの側面に近づく。
しかし。
「え!?」
タイラントワーウルフが急に方向転換をした。
セレーネのほうへ向かっていたのは、見せ掛けだった。
本当の狙いは――――アリスティだ。
完全に
タイラントワーウルフの繰り出す攻撃に対処ができない。
膨大な魔力がまとわりついたタイラントワーウルフの腕。
そこから繰り出されるのは、
アリスティはその直撃を食らってしまい――――
なすすべもなく吹っ飛ばされてしまった。
「アリスティ!!?」
クレディアの叫び声が聞こえる。
「グオォォォォォンッ!!」
グランウルフロードがクレディアたちへ向かう。
「くっ! 退けッ!」
クレディアが必死に応戦する。
ヒューリスやヴァルガンもまたグランウルフロードに斬りかかる。
しかしグランウルフロードの圧力は凄まじく、3対1であっても突破することができない。
そして、それは別の場所でも同じことができている。
「畜生!!」
バルードが悪態をついた。
もう1体のグランウルフロードと、バルードたちのパーティーが戦っていた。
「アクアショット!!」
オーファンが水魔法の弾幕を張る。
それをグランウルフロードが回避する。
その回避する位置を狙って、サラの
しかし、これもかわされる。
「くっ! なんて反応ですか~!!」
そこからグランウルフロードの反撃が始まる。
素早くサラへと間合いを詰めて、体当たり。
サラが悲鳴をあげて吹っ飛ばされる。
バルードが果敢に斬りかかった。
しかしグランウルフロードはそれを回避し、反撃。
バルードは見事にかわす。
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