大阪ラバー

まあ

第1話 出会い

もし、はじめから出会っていなければ

あんな関係になっていなければ


こんなまるで世界の終わりに独りぼっちの様な孤独感も消失感もなかったのかな


ただ、今は前向きにはなれないけれど


あんな奇跡のような出会いと


奇跡のような毎日をありがとう


忘れられない


忘れない


忘れたくない


俺の大切な人





<第1話 出会い>




それは突然だった


「かっこいいですね」と唐突に女が言った


「えっ?」


いきなり目の前に現れた天使の様に輝く女性から


正に自分に向けられた言葉としか思えない強い眼差しで見つめられ放たれたその言葉に俺はひどく困惑した




「彼女はいないんですか?」


間髪を入れずに立て続けに彼女は問いかけた


「おらんよ」


そう短い言葉で返すのが精一杯だった。


彼女は笑いながら


「えっそんなカッコいいのになんでおらんの?」


と語気を強めてきた



「い、いぃひんよ、俺モテへんし」




これは連れについて始めて行った婚活パーティーでの一幕




「良かったらメールしませんか?」


彼女はその場にあったメモを手に取り、自分の携帯番号とメールアドレスを書いて


俺に渡してどこかへ行った




家に帰ってからもずっと困惑していた


彼女は何かの勧誘の人なのか


俺をだましてお金を取ろうとしているのか


しかし、びっくりするほど彼女は可愛かった


すらっと背が高く、華奢な身体も本当に天使の輪が見えそうな程の綺麗な黒髪も


ずっと心の中で自分が作り上げていながら誰にも言わずにいた理想のタイプそのものだった


もし彼女が本当に俺のことをカッコいいと心の底から思ってくれていて出た言葉なのだとしたら、


俺はもう今死んでしまっても後悔が残らない程の嬉しさ


そして高揚感、充足感


その夜は胸の高鳴りを抑えることも出来ずほとんど眠れなかった




つづく

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