【完結済み】宝物と屑

空峯千代

第1章

第1話 宝と屑

 宝とは。

 貴重なもの。大切な尊い品。転じて、かけがえのない人を指す。


 対して、屑は。

 物のかけら、切れ端などを指す。

 つまりは、何の役にも立たないもののこと。


 宝と屑。

 貴重なものと切れ端。

 かけがえのない人間と何の役にも立たない人間。

 

 両者が争ったところで、初めから結末なんてたかが知れている。

 それは、世の常であり、社会の正しい形であり、僕にとっての理想でもあった。


 しかし、一生。

 一生分の力を賭ければ、百が一、億が一の勝機があるかもしれない。

 僕はあまりにも分の悪い可能性に賭けてみようと、人生で初めて思った。


 これは、僕こと伊能才いのうさい天ヶ瀬宝あまがせたからに勝つまでの物語。

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