第3話意外な雨宮さん
「あ、雨宮さん⁉︎」思わず声に出た。
「え?」
「あ、え、その別に付けてたとかそう言うんじゃなくて僕もたまたま漫画を買いに来てた訳で…」
「ちょっちょっとストップストップ落ち着いて別に疑ってないからてかそれもしかしてO.M.M?」
「う、うんそうだけど…」
ワンマジックマスター略してO.M.M
でもなんで雨宮さんみたいな人が?
と疑問に思う。
「やっぱりそうだしかも新刊じゃん!ねぇ、アンタさえ良ければ一緒に見させてくれない?」
「は?」僕の思考が一瞬停止した。
「だから、アンタさえ良ければその漫画一緒に見させてくれない?って言ってるの!」
うん、もう一回聞いても意味が分からない。
だって自慢じゃないけど僕はクラスのカースト最底辺の人間だぞ?
そんな最底辺の人間にカースト最上位の雨宮さんが一緒に見させてくれって理解しようとしても出来ない。
情報量が多すぎる。
「えっあっその、平気なの?」
「なんで?」雨宮さんは不思議そうな顔をしている。
「なんでって、こんな僕みたいなカースト最底辺の陰キャの僕と一緒に漫画見るの」
「カーストとが上とか下とか関係なくない?カーストなんて所詮見た目だけでしょ?大事なのは中身だよ。」
僕は何も言えなかった。
僕は今までこの外見ってだけでほとんど話かけられなかった。
けど、雨宮さんは違った。
僕の外見など気にせず僕の中身を見ようと声をかけてくれた。そんな雨宮さんに僕はさらに好きになった。
「そ、そうなんですねなら僕でよければ見せますよ」
「マジ?ほんとありがとう!アタシは雨宮麗華よろしく、アンタは?」雨宮さんが笑顔で言う。
「う、上田空です。」
「じゃあ上田君よろしくね!」
「は、はいよろしくお願いします」
「そ、そういえば雨宮さん漫画はどこで見るの?」
「え、そんなの上田君の家に決まってんじゃん」
「え?」
「え?」
「えぇぇぇぇ!?」
てな訳で急遽雨宮さんを家に招くことになってしまった。
どうしよう、展開が早過ぎて心の準備が。
「え、もしかしてダメだった?」
「う、ううん大丈夫です。」
「そっかならよかった」
まずい、雨宮さんの顔を見てたらつい。許可してしまった…まぁ、こうなってしまっては仕方がない腹を括ろう。
幸い僕は昔から綺麗好きだったので家自体は綺麗だ。
「あ、雨宮さん家に行く前に買い出しだけどしてきていいかな?」目の前にあるスーパーを指差す。
「あぁうんもちろん!てか、アタシも着いて行くよ!漫画見せてくれるお礼に飲み物とお菓子はアタシが買うよ!」
「い、いいの?」
「うん、てかこれくらい当たり前よじゃないとアタシの気が済まないし。」
「じゃ、じゃあ行こっか。」
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