第20話

鬱ストーリー


ドラクエをプレイする子供たちに世間の恐ろしさを植え付ける。


ドラクエ7より、レブレサックの神父


ドラクエ7より、例の神父、二度も魔物に狙われる


ドラクエ3より、オルテガの死


ドラクエ4より、勇者の育った村の滅亡


ドラクエ4より、王国から人が消える。


ドラクエ7より、ロボット兵士の開発が魔王の目にとまり、王国の人間消失


ドラクエ7より、マール・デ・ドラグーンの妻の身投げ


ドラクエ7より、石化した村人たち。その風化を見つめつづける一人の男。


ドラクエ11より、親友たる隣国の王の裏切り。そして、主人公の父の死


ドラクエ11より、魔物にとらわれた主人公の父、トラウマの中で十数年苦しみ続ける


ドラクエ7より、花畑の泥沼恋愛事情


ドラクエ7より、遺産ねらいの毒殺未遂


ドラクエ6より、魔王に目をつけられふんだりけったりの魔法都市


一番、印象に残ったのは、レブレサックの神父だ。

むごい。

神父は大変高潔な人物なのだが、魔物の姿に変えられ、村人から迫害される。リンチすら受けるのだが、村を守るために、迫害を受け続ける。

むごい。

人は、本質を見ることはできないのだとつくづく思わされた。

人の本質は、表象に現れるものと考えられてはいるが、それを見抜くのは、相当難しいのだろう。


人を見た目で判断したくないなと思った出来事である。ありがとうドラクエ7。


物事の本質を見抜くことができれば、ル・ボンの群衆にあてはまる人間はいないはずだ。事実よりも、雰囲気やイメージを優先して、行動することは、日常のふとしたところで感じるところだ。同調圧力や、全体主義という言葉があるように、人の考える力を鈍らせるものは、たくさんあふれているのだろう。正しさには、恐ろしい一面が隠れていることを忘れてはならない。人は幾度も正しさを掲げて戦争をしたし、民族弾圧も行ってきた。レブレサックの神父は、正しさに結集した人の恐ろしさを伝えてくれる。


知識と経験が増えるほど、ストーリーのメッセージは色彩を増すものだ。


それが、文化の楽しみだと思う。

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