02: 貴族
02-01
鍛冶師の次に私を手にしたのは、王国の有力貴族だった。あぁ、今の王国が成立するよりもずっと以前の王国だ。当時は今では想像もつかぬほどの戦乱の時代だった。その貴族は私を王国の宝物庫で見つけ出した。私は彼の望みを聞き、叶えてやることにした。彼の望みは現王室を倒し、自らが王になるという至極子供じみた、とても単純なものだった。端的に言えば、彼の望みは権力と富、それだけだった。
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