01-03

 鍛冶師は形になった私を、貴重な砥石といしで研いだ。並の砥石では白銀鋼しらがねはがねである私を研ぐことはできなかったからだ。その砥石は空から落ちてきたという赤隕鉄せきいんてつから、鍛冶師が自ら作り上げた。その砥石によって仕上げられた私は、ありえないほどの精巧な刀身と、鋭すぎる刃を持つに至った。剣先から柄頭つかがしらに至るまでみなぎる甚大な魔力。奇跡の一振りと言っても良い――私は自身を認識てそう思った。この鍛冶師は当時の王国にいて、最高の腕前を持つという評判だった。

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