第34話

「う~ん・・・。どうしようかしらねん」

「何かお悩みですか?」

「チーム対抗戦の話はしたでしょん?ここの端末だと、数が足りないのよねん」

「それなら、うちの艦にきませんか?」

俊は雇った子の要望でかなりの数のスペースウォーの端末を、明石の空きスペースに設置していた。

「いいのかしらん?」

「えぇ。それに戻ったら、うちの従業員の中から、一緒に参加してくれる子を募集する予定ですから」

「残りのメンバーは、野良も考えていたけれどん。身内で固められるならいいわねぇん」

俊の端末にハルカから連絡が来る。

「もう少しで到着します」

「わかった。待ってるよ」

「それじゃぁん。私は、準備があるからん。一度、お暇するわねん」

そう言ってドリトルさんは去って行った。




俊と楓は、待ち合わせ場所の喫茶店でお茶を飲んでいた。

そこにハルカがやってくる。

「お待たせしました」

「わざわざごめんね」

「いえ、それがお仕事ですから」

ハルカ、アカネ、シオン、フィーネの4人は従業員をまとめる立場だが、資源の売却の時には、交代で大型輸送艦に乗り込んでいる。

本来なら、ハルカの番ではないのだが、わざわざ、出向いてくれていた。

「さて、それじゃ、採掘ギルドに行こうか」

「はい」

今回は楓に仕事を教える意味もあり、3人で向かう。

「あらあら。会えて嬉しいわ」

シュンミンは笑顔で迎え入れてくれる。

「この子が、噂の子ね?」

「噂ですか?」

「未開惑星の子が保護された子がいるって情報が流れてきたのよ。色々便宜を図ってあげてほしいって」

「そうなんですね」

「俊さんと一緒にいるってことは大丈夫そうね」

俊は採掘ギルドで現在トップの成績の構成員だ。

収入も安定しており、自衛できるだけの戦力も持っている。

このステーションの中で、一番安全なのは俊の近くにいることだ。

「これ、今回持ってきた、資源のリストです」

「確認するわね」

シュンミンはリストに目を通す。

かなりの量があるはずだが、処理はあっという間に終わった。

「シュンミンさんも、何だかんだ言って凄い人ですよね」

「そうかしら?搬入の方、よろしくね」

「それは私が」

ハルカはそう言ってAIに指示を飛ばしはじめた。

資源の搬入は順調に終わり、色々、買い出しをする。

楓とハルカが買い物をしている間に、俊は居酒屋に向かった。

アズマ達はまだ、飲んでいたので、その場で駆逐艦の取引を済ませる。

俊が待ち合わせ場所に向かうと既にドリトルさんが待っていた。

「お待たせしました」

「いぇん。私も、今きたところだからん」

しばらく待っていると、楓とハルカもやってくる。

買った物の配送が終わるまで適当な喫茶店で時間を潰す。

配送が終わったのを確認して、俊達は連絡艇で大型輸送艦に向かう。

そのまま、大型輸送艦で明石が採掘してるポイントに向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る