第18話
DNA鑑定の結果はすぐにでた。
「間違いなく、アルシェント様の血縁・・・」
そう言うとサルバント大将は膝をつき、頭を下げる。
「これまでの非礼、どうかお許しください」
「いえ、僕は一般人だと思っていたので・・・」
俊は地球の日本でごくごく普通の高校生だと思っていたのだ。
こういう扱い方をされると困る。
「そういうわけには・・・」
彼にとっては、余程重要なことなのだろう。
中々、頭をあげてくれなかった。
「それで、一体、何をしにきたのですか?」
「ご両親からは話を聞きましたが、俊様のDNAを鑑定し皇族の一員であるかの確認をしに参りました」
「用件は済んだのでは?」
「本来なら、本星にご同行していただきたいところですが、アルシェント様からは、俊様の自由にさせてほしいと言われております」
「母さんらしいですね」
昔から、母さんは放任主義のような部分があった。
「後、父君である、カール様から、こちらを渡すようにと」
そう言って渡されたのはUSBメモリーだった。
「これは?」
「最新の、様々な兵器や艦のデータが収まっています。機密の塊ですので、扱いにはご注意ください」
これはありがたい。
明石のデータを更新すれば色々作れるだろう。
「お話は以上です。戻られますか?」
「仲間を待たせていますので・・・」
「そうですか・・・。我々は偽装任務の為、しばらくこの辺りの宙域におりますので、ご用命があればいつでもお呼びください」
「ありがとうございます」
俊は連絡艇で明石まで送ってもらった。
「おかえりなさい」
そう言って、ハルカ達が出迎えてくれる。
「お待たせ。何か問題はあった?」
「出来る限り、回収はしましたが、駆逐艦23艦。戦闘機146機を失いました」
「そっか・・・。まぁ、あの大激戦だと仕方ないね」
痛い失費だが、失った戦力は建て直せばいい。
銀河帝国艦隊はしばらくこの宙域に留まると言っていたし、安心して戦力を整えられるだろう。
俊は受け取ったUSBメモリーを接続して、データのインストールを開始した。
「疲れているだろうし、交代で休息をとろう」
「そう言うことなら、俊さんから休んでください」
「お言葉に甘えるね」
後をハルカ達に任せ、自室に俊は戻った。
そこにAIから呼びかけがあった。
「マスター。接続されたUSBメモリーからプライベートメッセージを確認しました。再生しますか?」
「わかった。再生して」
スクリーンが表示され、スクリーンには父と母の姿があった。
とりあえず元気そうな姿で安心した。
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