第10話

撤退していく宇宙海賊。

俊はそれに対して戦闘機隊をけしかけた。

性能の差なのだろう。

僅かに遅れている宇宙海賊に戦闘機が群がる。

撃破できたのは4艦ほど。

他の宇宙海賊には逃げられたがトータルで7艦。

圧倒的不利な状況でのこの戦果だ。

ひとまずは良しとしよう。

向かってきていたハーリー星系、冒険者組合所属の艦艇から通信が入る。

「こちらは、ハーリー星系、冒険者組合所属。スターホーネット、艦長のアズマだ」

「冒険者組合所属の俊です」

「まずは、救援が遅れてすまない」

「いえ、たまたま近くにいただけなので」

「撃破した艦についてはこちらで引き取るが、問題ないか?」

「はい。お願いします」

「緊急ミッションと引き取った艦については後日、冒険者組合で清算してくれ」

それだけ告げると通信が切れた。




俊はハルカと合流する為に、デブリ地帯に戻ってきた。

作業は問題なく進んでおり、あらたに軽巡洋艦級1艦と駆逐艦級5艦が完成していた。

当初は、大型輸送艦に護衛をつけてステーションを往復させて鉱物や貴金属を売る計画だったが、あれだけの数の宇宙海賊がいることを考えるとやめておいたほうがいいだろう。

大型輸送艦2艦に資源を満杯にして、全戦力でステーションを目指した。

その間に、あらたに軽巡洋艦級が1艦、就役している。

明石の内部では移動しながら、戦闘機の量産が続いていた。

今後のことを考えて、戦闘機母艦を1艦、作る予定だ。

ハーリー星系のステーションには問題なく到着した。

新しく作った艦は無所属になっているため、そこで時間はとられたが無事に登録料を支払い冒険者組合所属艦として登録した。

ハルカに大型輸送艦2艦を任せ、俊は冒険者組合を訪れた。

荒くれ者が多そうなイメージだったのだが、そんなことはなかった。

「ようこそ、冒険者組合へ。本日のご用件は何でしょうか?」

「先日、発生した緊急ミッションと引き渡した艦の清算です」

「端末をお願いします」

俊が端末をかざすとデータは一瞬でやりとりされたようだった。

「はい。確認ができました。ありがとうございます」

俊も無事、入金されたのを確認した。

「ありがとうございました」

「またのご利用をお待ちしております」

受付を離れると1人の男に捕まった。

「おい。ルーキー。大活躍だったじゃねぇか」

話しかけてきたのはスターホーネットの艦長であるアズマだった。

「先日はありがとうございました」

「今後のことを考えて少し交流しないか?」

「ええ、構いませんよ」

アズマに連れて行かれたのは居酒屋のような店だった。

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