第3話 火星

 火星…ここはそれぞれの星へのハブ空港的役割を持つ重要な拠点。ただ、地上には離発着ターミナルのみがあり、その他の施設、居住区は地下に建造されている。


 温度差に人間は対応出来ないのだ。想像以上に過酷な環境となっている。こればかりはどうしようもない。


【居住A地区へは、こちらのカプセルにお乗りください。B地区へは次のカプセルになりますので暫くお待ちください】


 カプセルは重力や空気をコントロールした巨大な

エレベーター。これであっという間に地下に。


 既に火星も売れ入れられる人口の限界に近づいてる。そして、ここから木星まで…というのが厄介だ。アステロイドベルトの存在がある。


 安全に航行出来ないのが現実だ。小型船ならともかく大型船では、小惑星帯を通過できないためだ。

木星は内部が広く、居住に適しているためとても人気があるのだが、小型船のみの航行のため予約が取れない(もちろん高額でもある)


 また木星は建造物作業員が優先のため、さらに予約が取りにくい。木製内部の居住区を建造しなければならないため作業員優先なのは当然である。


 現在、地球、月、火星が主な居住出来る星になっている。水星、金星は僅かな可能性すら無く、やはり木星以降の惑星が候補地となっている。


そしてこの火星は能力の販売も行っている。


【いらっしゃい!!今日のお買い得品だよ。ほら、見てって!!値引交渉もするよ】


 心理コントロール、短距離テレポート、短時間空間浮遊などなど、まぁ、あまり使えないから値引してるのだが…


 この火星からアステロイドベルトを安全に短時間に突破出来たらさぞ売れ行き上がるだろうな…


さっきの老人、無事着いてる。めでたしめでたし。


 それに老人を守った男性…かなりの能力の使い手だな。少なくともここで売ってる安物の能力とは桁違いだ。


そして、私の能力は…それは、今度お話します。










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