【午後九時〇〇分】小石 瑠璃

「補佐、持ってますよね?」


「おめぇこそな」


 その声とともに、私が刺したその女を盾に体当たりをした。


「まだ生きてますよ」


 その一言に鈴木補佐は大事そうに彼女を受け止めた。


「ですよね、死んでますよ、それ」


 私はその女に突き刺さっているナイフを足で蹴り、全力で押しやった。


「ぐああああ!!」


 鈴木補佐の苦しそうな声が聞こえてくる。


 補佐の右胸には深くナイフが刺さり、苦しそうに膝を付いていた。


「右胸でしたか、残念」


「ふざけるな……」


「ふざけているのは補佐の方ですよ」


 私は補佐の胸に刺さっているナイフを抜き、脳天から一気に突き刺した。


「ご愁傷さまでしたっと。さて、市章、市章っと」



 私の手元に五つの市章が集まるとそれは強い明かりを放ちだした。



「あぁ、お願い……こんな楽しい時間をもっと永遠と続けてください……」

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