イケメンのゲイ男を好きになった私

高崎レイナ

多様性の嘘

「椛、俺と付き合ってください!」

「やっとその言葉聞けた...」

 私はゲイの彼氏から遅い告白を受けた。そしてその男の唇にキスをした。そしてその後は...


数週間前


「ちょっと、彼女の目の前で堂々とAV見ないでよ!」

「違う!これは男同士の聖域恋話(サンクチュアリラブロマンス)だ!」

「男同士でも同じだから!」

 私の名前は峯塚 椛(みねづかもみじ)二十三歳(女)だ。三ヵ月前位に通信制の大学を無事に卒業した。ちなみにこの男は香月 優斗(かづきゆうと)二十三歳(男)で今絶賛私の目の前で「真夏の夜の淫夢」というゲイ向けのアダルトビデオを朝から見ている。しかもカーテン開けっ放しで。正直言ってそんな趣味があるから高校生の時いじめられたんだろうが!と何度か思ったことがある。そしてこいつも私と同じ通信制大学を卒業した。通信制の方がこの男を見張れるからね。

 私達は4Kの実家に父親と母親と優斗と一緒に暮らしてる。私は彼の趣味を壊す権利はないけどそろそろ私に振り向いて欲しいという思いがある。何なら入浴中の素っ裸の私を襲て欲しいという淫らな欲望がある。一応戸籍上では夫婦だが入籍したらそれっきり。夜這いもしたが一向に振り向いてくれない。

「優斗は自分の実家に戻りたくないの?」

「うん、戻りたくない」

「まだ確執あるの?」

「あぁ。復縁の条件としてお前を妊娠させて来いみたいな事言ってた」

「じゃ、子供作ろっか?」

「えぇ...」

「あんたに拒否権は無い!」

「勘弁してください!」

「私とセックス犯りますねぇ!と言っても今までみたいになると嫌だから少しづつ私を好きになってよ...」

「...分かった。パンティ見せてください!」

「流石にそれは引く」

「冗談です」

「冗談でも気持ち悪いよ、私で良かったね。ところでさっき見てたAV後輩を地下に監禁してたよねぇ?ああゆうプレイが好きなのかなぁ?」

「あれはただのフィクションだよ」

「もしお好みであればやってあげるよ」

「断る。お前が男でも断固お断りだ」

「ふーんそうなんだ...」

「あのさぁ、俺事務所作りたいんだけど...」

「イケメンの歌手をいっぱい集めてあの男と一緒の事する気でしょ?」

「...何で分かった?」

「私だってあのニュース何回見たと思ってんの?」

「じゃあさ...」

「じゃあ何?中華料理店開きたい」

「...中華料理店?」

「うん、中国人向けの」

「へぇ、良いねそれ!...貴方中国語話せるの?」

「前に中国語講座行ったことあるって言ったろ?」

「確かにそんな事言ってたね」

「港に近い繁華街で店開きたいんだけど」

「それじゃあ早速準備しますか!」

 そういう訳で日本海の県の富山県で商売を始めることになった。確かあそこって日本というより中国の一部だよね?植民地ではないけど。実際中国人とか台湾人とかめっちゃ多いもんね。やっていけるか不安だ...

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