第18話 LOVE LETTRE
時々無性に声が聞きたくなって
時々無性に会いたくなって
自分の都合ばかり押し付けて
それがいけないことだと分かっているのに
それが相手にとって不都合だと分かっているのに
止められない
制服は年間パスポート
扉を開ければ笑顔がお出迎え
例えそれが嘘だったとしても
例えそれが社交辞令だったとしても
その時だけは真実だと思っていたかった
手と手を合わせて一緒にイベントを
声と声を合わせて一緒に歌い
意見を交わして絆を深めた
私はそう思っていた
私はそう思っていたかった
頭の中にお花が飛んでいるから
同じ空間・同じ時間を過ごしている人の中に
自分とは違う気持ちを抱いている人がいることに
気付かなかった
バカな私を突き放すわけではなく
アホな私を罵り合うわけでなく
分かりやすく、キーワードをチャンスを
いつも与えてくれていた
何が正しいのか
何が嫌なものなのか
何が嬉しいのか
欲しいものを分かっている人たちが
欲しいことを与えてくれる
ただ笑っていたかった
ただ話していたかった
ただ一緒にいれるだけで良かった
それ以上を何も望まず
それ以上を何も感じず
時が止まって欲しいと
良くあるセリフが本当に思い浮かんだ
名前を言われるたびに嫌になるくらい
気持ちをそこに置いてきた
ゴチャマゼの感情を
正しい言葉を教えてくれた
先生よりも優しくて
先生よりもズルを知っていて
先生よりも強く思えた
君達のようになれたら
私ももっと強くなれただろうか
私ももっと優しくなれただろうか
私ももっと賢くなれただろうか
願いはいつも元の場所に戻ってくる
今のあなたたちは
こんな私を見て、どんな感情を持つのだろうか
ただ、共に過ごした人に恥じない人間になりたいと
強く思うのみ
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