宝石になれなかった言葉たち

第1話 子守唄


木の葉が揺れて囁いているように聞こえる

そんな幻想を抱くだけで親は可笑しいと笑うけれど




さよならの代わりに歌を贈りましょう

さよならの代わりに物語を聞かせましょう

いつか貴方が大人になったころに

きっと全てが繋がるように

きっと全てが分かるように

知らない世界も知っているように

触れれないものも細部まで分かっているように




周りは君を嫌っても

周りが君に戯言を言っても

君の中の芯を絶やしてはいけない

君の中の真実を折ってはいけない




君が誰かを変えれないように

他人も君を変えられない

君は君自身でしか変えられない

君が変わりたいと強く願わない限り変わらない




時間は無限ではないけれど

肉体も必ず衰えるけれど

思考はいつまでも残っている




歌が君の隣にあるように

詩が君の心を支えるように

風が君を癒すように

絶えず君の事を祈っている

絶えず君の事を想っている




誰にも分からなくても

誰にも知られなくても

誰にも信じてもらえなくても

君の幸せが常にあるように


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