美少女幼馴染に夜這いをかけられた

ナナシリア

美少女幼馴染が隣で寝てた

 何年もこの部屋で起きてきて見慣れた天井が、すっと僕の脳内に入ってくる。


 しかし、いつもは休日であっても起こしに来るはずの幼馴染――柊青葉ひいらぎ あおばが、何故か今日は起こしに来ない。そこに違和感を感じて、僕が起き上がろうとベッドに手を突く。


 すると僕の手は、ベッドとはまた違い、ベッドよりも弾力が小さい柔らかい感触を捉えた。


「ん……」


 僕が柔らかい感触を捉えたのと同時に艶めかしい女性の声が聞こえて慌ててそちらを見ると、そこにいたのは青葉だった。手に触れているのは青葉の大きな胸。女性の胸を許可なく触るなんて最低だと思い、僕は慌てて手を退けた。


 そこで青葉の方を向くと、普段起こしに来るときはは後ろで結んでいる髪だが、今は僕のベッドの中で無警戒に解かれている。


 他の部分に視線を移してみる。雪のように白い肌が白いベッドのシーツと同化して見えづらい。青葉が寝返りを打つと、他に見たことがないくらい大きな胸元が、ぷるんと揺れて僕はいけないものを見ている気になって目を逸らした。


 目を逸らした先で、なぜ僕のベッドに青葉がいるのか、疑問に抱く気持ちをなんとか押さえつける。最終的に彼女は僕を起こしに来たはずが、冬の寒気に負けて眠ってしまったのだろうと結論付けた。


「……あ、春樹ぃ。起きたぁ?」

「寝ぼけているならちゃんと起きてから喋った方が良いよ、無理しないで」


 目をゆっくりと覚ました彼女が、まだ眠気の残る声で僕に尋ねた。


 もし僕が触れてしまったことで青葉を起こしてしまったのならば申し訳ない、学校に行くまでまだもう少し時間があるから寝かしておけば良かったと思う。


「大丈夫、もう起きたよ」

「それで、青葉は僕を起こしに来ておいて寝ちゃったのか。感謝はしてるんだけど、同じ布団に入るのは無防備過ぎない?」

「……春樹は絶対わたしに手を出したりしないでしょ」


 僕の言葉を聞いた彼女は、なぜか僕をキッと睨みつけた。どうやら僕が怒らせてしまったらしい。


 やっぱりこうだ、僕は昔から人の気持ちを考えずに発言して人を怒らせてしまうことが多々ある。でも、青葉はそのたびに僕を庇って、助けて、そして自分が被害者になったときには許してくれた。


 そんな青葉に手を出すなんて、僕に出来るはずがないから、青葉の言ったことはあながち間違いじゃない。


「まあ、そうなんだけど。でも信頼できない人にやったら駄目だよ」

「わかった。春樹は信頼できるから、これからもばんばんやっていくね。あとわたし、春樹を起こしに来たわけじゃないんだよね」

「他に何か用があるの? 用は構わないんだけどさ、さすがにそろそろ朝の準備をしたいから、ご飯を食べながら聞いてもいい?」


 時計の方を見る僕の視線に釣られて時計の方を確認した青葉は、学校に遅れてしまうことを恐れたのか、僕の提案に頷いた。

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