2話 5章 蜂蜜レモン水/手作り素麺(そうめん) 14

 しかし、次の瞬間に部屋の扉が開いた。

 サーラは、頭をぶつけてしまう。

 「ふみゃ!?」

 「あぁ!?…申し訳ありません。」

 やや遅れて、部屋の中から人影が姿を現し、謝罪の言葉を述べだした。

 「だ、大丈夫です。」

 と、サーラは頭を擦りながら、返事をすると、相手を確認する。

 それはジョンドである。あたふたした様子になっている。

 さらに続けて、ジュスティーヌとメローナや、町医者も廊下に出てきた。目の前の様子に、首を傾げていた。

 それから大人達は、話をしだす。

 ばあ様が率先して、口火を切って問いかけた。

 「…マーチス様は、大丈夫なのかい?」

 「…ワシの診察では、暑さで熱が身体に籠ってしまい、脱水症状になって、目眩と立ちくらみが出たんじゃよ。…まだ熱っぽいが、此処に帰ってからも水も沢山飲んだし、部屋でゆっくりと寝させとるよ。」

 「…ふむ、…そうなのかい。」

 「大事に至らなくて、良かった。」

 「…先程も他の人に説明しましたけど。…後は落ち着いてきたら、消化の良い料理を食べて、体力を回復させるんですよ。」

 と、町医者は代表して説明をする。

 村人達も話を聞くと、頷きながら納得していた。

 「では。…ワシは、これで失礼します。…何かあれば、また。」

 その後に、町医者は踵を返すと、廊下を進んで階段の方へと行った。

 すぐさまジョンドは、頭を下げて御礼を言っていた。

 「ありがとうございます。…帰りは、屋敷の者に馬車で送らせますので。」

 やがて町医者の後ろ姿が見えなくなると、大人達は一斉に安堵し、息を吐く。

 ついでに、誰かの腹の虫が鳴る音もしたのだった。

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