2話 5章 蜂蜜レモン水/手作り素麺(そうめん) 2

 すると、その先にはサーラ達が居た。店の方に向かって、やって来ている。

 先頭では、ジョンドが皆を先導している。

 その後を、サーラ達が付いてきていた。

 さらに遅れて、屋台の店主達も追いかけてきていた。

 やがて全員が辿り着くと、マーチスの周囲の輪に加わる。総勢で、約十数人となった。

 「…よし、行きます!」

 と、今度はジョンドが合図を出した。

 その直後に、全員が力を入れると、ようやくマーチスの身体は辛うじて持ち上がった。

 皆が揃いも揃って、顔が真っ赤になるまで必死になっている。

 そのままの状態で、少しずつ移動し始める。途中で休憩を挟みつつ、高級雑貨屋の前にまで辿り着いた。

 「トーニャ、扉を開けて頂戴。」

 すかさずジュスティーヌは、指示を飛ばした。

 トーニャも、慌てて扉を開け放つ。

 それから高級雑貨屋の店内に入ろうとするも、

 「せ、狭い。」

 と、誰かが苦々しく呟く。

 「駄目だ。…一旦、下ろせ。」「あ、あぁ。」

 その途端に、誰もがマーチスの身体を地面に下ろして手を離し、さらに店の玄関の方に目を向けだす。

 何故なら、扉の横幅が足りないのである。

 全員でマーチスの身体を持ち上げた状態では、潜り抜けるのは無理があるのだった。

 「…これでは、中に入れない。…だからと言って人数を減らすと、マーチス様を動かせるかどうか。…」

 と、ジョンドは目の前の状況を見つめながら、頭を抱えて嘆いていた。

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