3、弓道理論「手の内で悩むなら、常識を無視してみる」
弓道部あるある、どんな「
私は思います。じゃあオリジナルを作ろう☆
はい。
弓道において、古い言い習わしがあります。
「自分の手の内は、人に見せるな」
それはなぜか、自分の技量を人に見せないことで、ライバルの誕生を抑止するためですね。ふむふむ。
でも同じ部活内だったり、弓道仲間との情報交換として考えたら、手の内について語りたくなってしまうもの。
と、しておきましょう。
手の内ってね、ホント人によって違う事が多いし、聞いても調べてもよくわかんないから、悩ましい技術の一つである事には間違いないと思います。
かといって、上手い人の手の内は、そう簡単に真似ができないもの。
なんで?
流派が違うとか握り皮の太さが違うとか手のサイズ、骨格が違うからとか。その理由はさまざま。
それにね、手の内は弓を押すための一つの技法と定義したなら、手の内が全て、ではないんですね。
だからこそ、自分だけの手の内を作ればいい!!
正面打起しだと、弓構えが変な形になる事もありますが、結果的にハッピーになるなら、常識なんて無視しましょう。
え、段や級の審査?
私は無視してましたわ!
という事で、書いてみます。
『もっこす流の手の内、その考え方を!』
問→手の内の目的ってなんですか?
解→つのみを発生させ、顔をぶたないための技。
弓を押すとか、矢を真っ直ぐ飛ばすためとか、まぁ様々な解釈がある中で、私はその原点に戻った考え方をしているわけですよ。
なぜか?
手の内を意識しただけでは、矢は真っ直ぐ飛びません。射の中にある多種多様な要因を複合した結果、矢が飛ぶ向きってのが決まるから。
だって弓道は物理学だし。
ただ、押す力がちゃんと伝わっているかどうは、一つのポイントであることは間違いないです。
それではここで、手の内を作る前に、自分の射がどんなタイプか考えてみましょう。
私なりの考えで、大きく2つのタイプに分けますと。
1、テクニック弓道タイプに適した手の内。
弓道教本にのっとった、ごく一般的な考え方で弓を引くタイプの射。
主に背筋、裏の筋肉を活用し、体全体を使用した安定感のある射と、伸び合いをする射。
こんちくしょうと弓を押す必要がない。
見た目が綺麗な事が多い。
2、パワー弓道タイプに適した手の内。
とにかく弓の軌道を力でねじ伏せる、押す力と左右のラインのみを意識した伸び合いをする射。
こんちくしょうと弓を押す必要がある。
見た目が奇抜な事が多い。
そもそも正面打起しと斜面打起しを比較すると、正面は「1、」斜面は「2、」になりやすいのが個人的な感想です。
この違いによって、手の内の形に変化はあっても、その本質は変わらないと考えてます。だって、つのみがなかったら、弦で顔をぶつし。
痛いのは嫌なので、手の内(つのみ)は効かせようぜってのは共通の認識です。
それでは、それら2つの流派に共通した手の内の考え方を記します。
◯まずはエアー手の内を作ってみる。
何も持たず、手の内を作り絞ってみます。右手の指を2本くらい使って、握る部分としてやってみてください。
そこから右指を左手から抜いて、肩から先を真っ直ぐに押し伸ばします(正面を向いて)、すると左手は弓を持ったっぽい形になりますよね?
ここから、手の内の形は維持したままにします。
次に。
肘を曲げ、背中をポリポリするような格好になります。そこからブンッと腕を伸ばし、水平にしてピタリと止めます。
すると、初動は肩の関節から→肘→親指。
の順に力が加わります。
実際はこの伝達径路で、弓を押すわけなんですね。
手の平だけだと(主に親指の付け根)、押す力がロスしますので、必要以上の力が必要となります。
今度は弓を持ってみて、矢をつがえず、実際と同じ形で弦を引きます(左手は水平、顔向けもいつも通り)。力の向きは的がある方向、引き尺は左の二の腕くらいまで。
このとき、エアー手の内と違う感覚ならば、手の内の形や体のライン、肩の位置が原因で、弓がしっかり押せてない可能性があるんですね。
□感覚が違う原因(肩から真っ直ぐ押すとします)
1、手首が折れ曲がっていて、押す力が途中で屈折している。
2、肩から手首にかけて、力のライン、そのベクトルが同一線上でない。
3、骨格が特殊
弓が押せてない理由の一つとして、手の内以外の原因がある事を、まずは知ったうえで次のステップに移行します。
これ、結構誤解している人が多いので、悩んでいる方は一度お試しあれ。押せない原因は、手の内の形だけじゃありませんからね。
ほい、次のステップ。
□親指+一本の指のみで、弓を押す。
弓を持った状態で、例えば親指+小指。親指+中指で押してみる。残りの指は、握り皮から離した状態で、しっかり押せるかどうかです。
なぜ一本なのかと言いますと、基本的には小指を握り皮に引っ掛けるのが基本だとよく言われますが、人によっては指の長さが関係して、中指や薬指のほうが、力を加えやすい場合があるので。
引き尺は軽くして、試しに弦を離してみると、よく分かります。ここで、弓が大きく暴れてしまう人は、手の内の形そのものに問題があるんですね。その場所、押す位置を調整してみてください。
あ、まさか人差し指を使って弓を握る人がいたら、それはマジで奇抜なので、誇りに思ってください。
私は見たことないです。
でも、そんな流派もあるのかな?
ここで手の内の修正方法を例えますと。
1、親指の付け根の位置を、上下左右に動かしてみる。
2、天文線を基準に、握り皮に添える位置を動かしてみる。
3、手の内を絞る時、水平方向や、上から下にかけてなど、その絞り方を変えてみる(正面だと大三、斜面は弓構えのとき)。
このとき、肩や肘を通過しない力の伝達経路、で押そうとする手の内に改造すると、小難しい射になる事が多いので、そこは注意です。
問→手の内が悪いから、弓が押せてないと言われます。
解→それは、たくさんある要素のうち、一つにしかすぎません。
「小さい射」、と言われる人は、引き尺の事ではなく、主に両肩幅の縮み、力の伝達経路が身体のセンターラインを介し、左右の力ベクトルのラインが同一線上にないことから、そう言われるパターンがありますから。
これもよくある誤解、手の内の形は要素の一つであり、絶対的な原因とは関係ありませんからね。
力の伝達経路が同一線上にあり、そこから矢が真っ直ぐ飛ばないのであれば、道具を疑い、左右のタイミングを疑い、手の内を疑います。
まぁね、力が同一線上になくても、ズバズバ的を射抜く人はいますけど、それがパワー弓道かなって思うよ。
あと手の内が緩むって人。私自身、この現象についてよく分からないのですが、弓返りしているだけではなくて?
例えば早気の人なんかは、押す方向が定まってない状態で矢を射るので、矢に力が乗らないパターンもあるよ?
それを緩むと言っているのなら、2秒くらい我慢してみてください。そして緩むか試してみてください。
結果はわかりません。
矢勢がほしいなら、エアー手の内の感覚と同じ力の伝達経路を再現してみる練習をしてみてください。
それでも駄目なら、使っている弓に問題がある可能性も考えましょう。
手の内の形はともかく、必要以上に弓にうわ押しをかけ、強引に軌道を変えるやり方もありますからね。
テクニック弓道と比較して、パワー弓道は矢数をかけないと、あまりいい結果にはなりませんから、目指す方は頑張ってくださいね。
結局のところ、手の内は毎回変えれるものでもないので、ちゃんと押せてるならとりあえずいいと思います。簡単に言えば癖みたいなものですからね。
その癖を生かすか、変えるか、それは自分と相談し、楽しいほうを選んでくださいね。
よくある、手の内(つのみ)を効かす行為は、押す精度や力の集中箇所をさらに高めたものだと考えれば、まずは基本が出来てないと、あまり体感がないですからね。
弓を押す、という動作が研ぎ澄まされてくると、離れも勝手についてきますからね。細かい調整は人によって全然違いますから、そこは稽古で研究してみてくださいね。
え、私の弓道タイプ?
いくつかエッセイを読んだ人ならピンとくるかもしれませんね。
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