第3話:君が欲しがったもの
天才と揶揄される幼なじみの君は、早咲きの桜の木下、僕に言った。
「ほしいものがある。」
そう、君は言った。
「聞くだけ聞いてやろう。」
そう返すと、君はにっこり笑って話し始めた。
「それは日常にあるもので、それはあって当たり前だと思っていたものだったんだ。始めから人は何も手にしてないって言うのに変な話だけれどね。理由もなくそれがいなくなってしまったら、私はきっと泣いてしまうだろうと思うんだよ。」
そう言って僕の方を見た。
「天才と言われた僕を、ずっと横で見てくれていた君。疲れた私に対して、他の人は頑張ってるねと褒め囃すだけなのに、無理をするな。と怒ってくれる君。私を天才としてではなく、友人、ただの女の子として扱ってくれる君。」
そこまで言って君は僕に向かって手を差し出した。
「どうか、私と共にこの先を生きてくれないだろうか?不幸や困難が、これから先ある。人生だから。そんなときに、支えてくれないだろうか?私も可能な限り寄り添い手を貸すことを約束するよ。つまるところ、、、」
初めてみる、君の真っ赤な顔。恥ずかしいだろうに。お構いなしに言葉をこう告げたのだった。
「君の第2ボタンとこれからの人生をもらえないだろうか!!」
そんな君を見て、どうしても愛おしくなってしまった僕は彼女を抱き締めてしまったのだった
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