第15話
期末テストが終わった後、夏休みまでの間の期間が私は好きだ。
やっと勉強から解放されたってことと、三者面談が始まるので短縮授業になることが嬉しい。
「ひなー、放課後ヒマ?今日も部活?」
「うん、そうだよ。なんで?」
5時間目が終わると掃除が始まる。今週私は教室掃除の当番で、掃き終わったところにせっせと机を戻していると、あかねが話しかけてきた。
「ほんと好きねー。じゃあ明日は?土曜日」
「明日は午前中が練習。午後は空いてるよ」
明日の午後は設備点検で業者の人たちが入るから学校は使えない。って堀田先生が言っていた。
「じゃあ明日のお昼、新大久保行かない?新しいコスメ出てるんだってさー」
「私はいいよ。化粧する機会もないし。てか、あかね先週も行ったんじゃないの?」
「行ったよー。その時に美味しそうな韓国料理の店見つけたんだー。ここなんだけどさ」
あかねがスマホの画面を見せてくる。最近SNSでもよく見るやつだ。あかねは私の好みをよく知っている。
「えー美味しそう!行こ行こ!」
「まったくあんたはプロレスと食べ物にしか興味ないの?」
ころっと目の色を変えた私を、あかねは腕を組みながら飽きれた顔をしてくる。
「美味しいものはみんなを笑顔にするよね!ご飯食べたら買い物も付き合うって!私は買わないけど見てるのは楽しいもん」
「まぁいいわ。じゃあ明日ね。練習終わったら連絡ちょうだい。あ、さらりんも誘っといて」
さらりん?と首をかしげる私に、あかねは「咲来のことだよー」って言った。
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