第5話 カミラット

気づいたら、ももとにぼは、いつの間にか、噛みグセがついたネズミになっていた。

手を入れると、噛んでくるのだ。まだそんなに、酷いケガはしないけども、懐いてほしかったゆかさんは、ショックだった。


ファンシーラットは、お迎えして、すぐに触っても平気と、ネットに書かれていた。しかし、ゆかさんは、お迎えして、数日はそっとしておいたはずなのに。


むしろすぐに触って、懐かせた方がよかったのだろうか?それとも、やはりあのとき、掃除のときに、怖がらせてしまったのだろうか?


けれども、近くで見てる分には、やっぱり可愛い。とても癒される。わたしは怖くないんだよ、と、ゆかさんは、この子たと時間をかけて、仲良くなろうと思った。



それで、ゆかさんがやったことは、ネズミに、噛んでもいいよ、わたしは怖くないよ、と、噛まれたら優しく撫でた。


しばらくすると、そんな願いが通じたのか、ももとにぼは噛みグセがなくなった。例え、びっくりして噛んだり、鬱陶しくて噛んでも、手加減して優しく噛んでくれるようになったのだ。

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