15.こういう時は?

15.こういう時は?


 レオーバ王国 ベラボー辺境伯領チガウの街


 宿の一階の食堂で、宿で買ったハンター新聞を読みながら商人達の話に耳を傾けるリーフ。

 

 街の出入りは厳重になり、街のハンターギルドも出入りでギルドカードを調べられるという異常事態にリーフは警戒していた。

 まぁ、資金はこのままでも3年暮らせるぐらいはある。

 だが、何が起こったのか初めは情報が混乱していた。


 そして、わかって来たことは[死出のダンジョン]が攻略された事がバレたらしい。

 まさか、ダンジョンの出入り口に見張り番すら無いから、放置されていると思っていたが、巡回警備は一応していたのか!


 で、探しているのは、ダンジョンを攻略したハンターパーティーとダンジョンからのお宝を強奪するつもりだと、隣の席の商人達も話している。


 強奪かよ。

 ギルドには様子を見るために用心して近づかなかったけど、正解だったな。

 そして、ついに領都で王国の後継者争いの戦争が始まると噂がたった。

 王都の騎士団が派遣されたのだという。

 ハァ?

 王様が病気で、そのためにダンジョンで手に入れたはずのフルポーションを強奪するために騎士団が出た!


 こわ!


 ハンター新聞には、ガリ達が捕まった魔導絵(写真みたいなもの)が2面に出ていた。

 容疑は、第3王子にポーションを献上しなかった不敬罪という罪らしい。


 不敬罪。地球時代のリーフには縁のなかったものだ。

 貴族様を見ると、土下座しないといけない。

 貴族様からの命令は絶対!

 貴族様が、死ねといえば死なないといけないとかで、違反すると不敬罪とか言う罪になって処刑されるとか村長が、一応貴族らしい雑兵爵という爵位を辺境伯からもらった時に自慢げに言っていたよな。

 

 やべー。

 僕が生きているなんてバレたら、絶対に捕まえに来るぞ!

 そして、ダンジョンを攻略したとかバレたら、殺してでもドロップ品を奪いに来るぞ!


 もし、素直にドロップ品を出したとしても、一生兵隊としてこき使わさせられるとか、商人達が言っている。

 地球でも、労働基準監督署の目をかい潜ってブラック労働なんでさせているレストランや、会社なんて沢山あった。


 ここでも、当たり前のようにそれが横行している。

 逃げよう。く、すでに逃げる道は検問されているだろう。

 だけど、今はSランクハンターを探している。

 僕があのダンジョンで穴に落とされた事は、なぜか領都近くのこの街では、まだ噂になっていないようだ。

 移動するなら今のうちだ!


 


 次の日

 ガタンゴトン!

 今、僕は木箱の中にいる。

 昨日、隣の街行きの荷物を商人に送るように、頼んで夜中に倉庫に入って自分が頼んだ木箱の中に入ったのだ。


 あれから、なんとか考え出した策だ。

 隣の街には、ガリズの遠出クエストに出る時用ハンター相手の用の借し倉庫がある。

 そこの鍵は、僕が持っているのだ。

 そこに向かうことにした。街の門には対密輸用の人間探知の魔道具がある。

 だが、Sランクモンスター以上のモンスターの変わるの防具では探知出来ないと言う事を聞いていた。

 コカトリスのドロップ品の隠者のフードが役にたった。

 流石!コカトリスのドロップ品!

 なんとか街から脱出は成功した。

 あとは、倉庫に僕が飲んだフルポーションの空き瓶に同じ色になるように、スキルハッパで出した葉で作った青汁を入れた、ニセポーションを30本!ダンジョンの宝箱に入れておいで置こう。


 ガリ!ゲリ!ボヘ!トト!お前たちは僕を裏切って殺そうとした。

 だけどね、ギルドカードを見てわかったけど、まだパーティーから外してないかったのだよね。

 だから、パーティーの一員として倉庫に置かせてもらうよ!


 そして、隣の国まで逃げてパーティー登録からはずす手続きをして、さらに別の国に逃げる!

 これしかない!

 

 だが、暇な木箱に入っていて気がついた。

 確か死亡したら、ギルドカードのパーティー名前欄に(死亡)と文字が自動的に出るらしいとか受付嬢ベロアさんに聞いたぞ?


 あいつら、僕が生きているって知っているかも?


 まずい!まずい!まずい!

 早く逃げないと!追っ手が来るぞ!

 街に入ったので、夜中まで待ってすぐに行動する。


 だが、すでに貸倉庫前に領軍がいた!

 今来たばかりらしく、鍵を破壊して中に入って行った。

 すぐに隠れたから良かったけど、ここまですでに手が回っていたのか。

 

 こうなったら、村に帰ろう。そして、村の向こうの山の砦を越えて隣国に逃げよう!


 

 次の日、今度は新規の行商場所の開拓したい行商人の日雇い人夫に紛れて、村にむかっている。

 村の出入りは、かなり厳しい。

 だから、なんとかして村に入って、ガリのやったことをバラしてやる。

 それにしても、何でも入るからとインベントリーにダンジョンの宝箱ごといれておいて良かった。

 この宝箱を使って…、え?領軍?

 まさか、ここまですでに来ているのか?


 途中、領軍が休憩していた。

 次の日、村につく。

 あれ?村は?! は?移転した?

 行商人の主人も、5年前くらいに聞いた話と違うと啞然としていた。

 

 立て札を、読んでいた行商人の主人に後からやってきた領軍が話すには、あの村長のヤツが隣の王国と組んで、ここをち拠点として辺境伯領を攻める作戦に加担していたという。

 男爵とか侯爵とかに取り立ててもらう約束だったらしいのだが、そんなスキャンダルは隠蔽されて移転した事にされたという。

 村長達は、鉱山の強制労働送りになったというのだ。


 マジかよ!

 村の名残は、村長の家だった面影が少し残るボロ屋しか残って無かった。

 他の住民は、山沿いの紛争地帯の村に送られたという。


 この村出身だと言うだけで、危ない身分になってしまっていた!

 あの村長!それにその子供のガリ!ガリの従兄弟のゲリ!ろくな事をしないな!


 新規開拓を失敗した行商人の主人と共に、引き返すしかなかった。

 

 5日後。

 リーフは、領都にいた。

 チガウの街は、第1王女率いる第2近衛騎士団が駐屯する事になり、出入り禁止となったから入れなかっのだ。


 行商人の商人は、賃金を払わずに領都で逃亡。

 そして、第3王子とガリ達はなぜか王都に出発していた。


 何が起こったのかわからない。

 第2王子の騎士団も帰って行った。

 そして、この辺境伯領は封鎖されたのだ。

 人の出入りが禁止された。王命らしい。

 

 そして、誰か僕の事を覚えていた奴がいたらしく、僕が生きていることがバレた!

 サブギルトマスターが宿までやってきたのだ。

 事情聴取をするとか言っている。

 とうしよう?


 

 

 

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