第20話 煩悩と友達になる。

 煩悩に好かれると人は不幸になる。

 性欲、食欲、睡眠欲。

 煩悩には無限の欲がある。


 底なし沼のようなこの快楽は、1度味わってしまうと麻薬のようなもので、なかなか体から抜けきれない。


 その欲、煩悩は、108あると言われていて。

 だからというわけではありませんが、除夜の鐘は煩悩の数だけ、滅するように108、年をまたぐ新年につくらしい。


 物欲、出世欲。

 金銭欲。


 これらの悩みからもし解放されることができたなら、人々の心は昨日とは打って変わって軽やかになるはずです。


 なぜわかるのかというと、自分がそうだからです。

 世捨て人のような生活を歩むようになってから、必要最低限のお金しか持てなくなって。


 本当に大切なものが何であるのか。

 それに気付いたような気がします。


 煩悩に支配されるのではなく、是非煩悩をコントロールしてほしいと思います。拒絶しようとすればするほど、煩悩は人々の心を蝕みます。


 それならばというわけではありませんが、煩悩を上手に利用してしまうことも、作戦的にはありなのかなと思う。


 例えば、ルイビトンの財布を欲しかったとします。

 欲しい。その衝動を。仕事を頑張るエネルギーに変えてしまうわけです。出世欲を利用して、資格取得の勉強に猛烈に勤しむのも、いいかもしれません。


 ギャンブルなどのように、100害あって1利ないものもありますが、大方の煩悩は何かの原動力に変えられるはずです。


 煩悩に支配されてはいけません。

 煩悩と友達になり、煩悩を上手に利用してしまうことです。

 生きることへの原動力にしてしまうのが、最善の策のような気がします。

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