第4話 知っている顔

課長が外から帰ってきて、私は花梨の様子を説明した。課長は大きな紙袋からハム卵サンドを出しながら「報告ありがとう。あとは普段の勤務をよろしく」と言った。課長もハム卵サンドの中毒にやらたようだ。私は「はい」と返事をして仕事を始めた。次の日に課長のところに1週間休むっと花梨から連絡をもらったらしい。でも1週間過ぎても出勤しないので昨日は花梨の家に麻美が様子を見に行ったが応答がなく仕方なく帰った。花梨のトークに既読がつかない。だんだん不安になってきた。そんな心配をしている最中に1人の女性が課長を訪ねてきた。麻美は営業スマイルで対応して待ち合いの席に通した。麻美が戻ってきて「課長の奥さんだ!」ニヤけた麻美の顔を見て、つい私もニヤけてしまう。「何で奥さん来たの?」私は白々しく聞く。麻美は少し考えて答えた「不倫して帰って来ないからじゃない?」麻美が不倫に気づいている事に私は驚いた。麻美は続けて話し始めた「課長のスーツ最近同じだよね?アイロンかけてるけど同じスーツなんだから泊まったのバレバレだよね!」私は麻美に観察力がある事に驚いた同時に「なんでそれに気づけて自分のお弁当は気づけない」と呟いてしまった。麻美は首を傾げながら「お弁当?何の話?」と聞いてきた。そんなのおかまいなしに私は奥さんの方に近づいて行った。奥さんの顔は初めて見る。なんだか見た事ある横顔。麻美が近づいてきて「ねぇ不倫相手と顔が似てるよね」私はハッとして慌てる様子で「ちょっと確認したい事あるから外回りに行くね」と部屋を出ていく。まっすぐ経理に向かい鈴木さんを探した。その時に同期入社の舞にバッタリ会ってしまった。舞は経理にいる。舞は驚いた顔で「おぉ久しぶり!どうした?誰か呼びたいの?」と聞かれて私は困ったが思い切って「鈴木さんは?」と答えてしまった。舞は答えた「鈴木なら休み」それを聞いて私は不安になった。私の勘違いならいいっと思い。スマホを手にとり花梨の彼氏の連絡を探した。彼は花梨と参加した飲み会で知り合い皆んなで連絡先を交換したから知っていたのだ。きっと彼なら花梨の居場所が分かってる。そう願い電話をかけた。「もしもし。久しぶり!急に電話してごめんね!あの花梨と一緒かな?連絡とれる?」彼が答えた「もしもし。花梨?別れてから会ってないけど?3ヶ月くらいは連絡とってない。何かあったの?」私は頭が真っ白になった。しかし電話にはしっかり返事をした「大丈夫なんでもないよ。ありがとう」と言い電話を切った。その後あまり記憶にないが午後から休みにしてもらい私は帰った。

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