詩集「喪失ノ刻限」(完)

不可世

第1話「一度の日」

この世界で愛を受けた

それは優しく

また暖かだった

今という時間は確かに流れ

だからこそ幸せを観測していて

その観測という

心の羅津が振れるたびに


生きてる事の

儚さを

生きる事の尊さを

説いてくれる


本当に生きる事を

身に染みて感じる

30歳


青春は遠い

それも音楽と共に蘇る程度

もうとう時間は進み


さほど成長してなんてない

なんて、

不甲斐なくも思った


もう一度生きれるなど

妄想は捨てている

だから今を大事にして生きてる


本当に本当にありがとう

もう僕らは一度きりの船で旅して

この大都会を生きていく


狭苦しい部屋で

明かりのささない部屋で

僕は今日も、ただ


息をしている

生きて居るんだ


まぎれもなく、君もいる世界で。


今日も、明日も、これからも。


生きていくんだ。

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