第22話


 ——シャリンッ




 鈴の音のような高い音符が宙を舞い、カマの「刃」が光に揺れる。


 間に合うかどうかはわからなかった。


 ただ、迷ってる暇もなかった。


 俺は「幽霊」の姿が見える。


 それと同時に、ヤツらの魂の強さ、——霊力を、第六感で知覚することができる。


 即座に展開しなければ間に合わないと思った。


 それくらい、ヤバかった。


 男の持つ霊力が。


 その、大きさが。



 バッ



 印を結ぶ。


 言葉を放つ。


 簡易結界。


 本来なら、大掛かりな魔具を用いて形成する対死霊(サモン)用の防壁を展開したい所だったが、時間的な猶予はなかった。


 耐久性は落ちるが、何もしないよりはマシだ。


 サークル状に線が走る。


 半径1メートル圏内に広がる、霊子で形成された魔法障壁。


 霊には霊を。


 小さい頃からそう教わってきた。


 俺は元々学校には通ってなかった。


 中学まではMOMにいたんだ。


 Ministry of Magic。

 

 『魔法省』と呼ばれる、魔法政府機関。


 ——その支部がある、徳島県の祖谷に。


 


 

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