第2話  猫さんととうみねこさんが浜辺にて

「やあごきげんよううみねこさん」


「あやごきげんよう猫さん」


 猫さんは不思議な顔をしてうみねこに聞いてみる。


「うみねこさんはその名の通り海には居るが、空に住んでいるね?海の猫なのかい?それとも空の猫なのかい?」




 うみねこさんは困り果てた。


「猫さん。僕らはあくまでも鳥なんだよ。だから海鳥という空を翔ぶ生き物であってねこじゃないんだ」


 猫さんははたと手を叩き、続けた。


「なるほどうみねこさんは空の猫だったか。ならば」


「ならば?」


「僕が海のうみねこになっても困らないよね?」


「え?」


 うみねこさんが聞き返す声にも答えず浜辺から海に飛び込み、泳ぎを始めた。猫さんはあっという間に魚を取って食べる『海のうみねこ』になってしまった。


「猫さんすごいね。これなら海のうみねこさんだ」


 猫さんはうみねこさんに魚をプレゼントして答えた。


「尾頭付きも悪くは無いが、たまにはカリカリしたキャットフードも食べたいよ」

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