第4話 団長は 彼らを許さなかった
少し以前のギルド内では団長に疑心を抱いているものたちがいたし、ヨルム兄貴と私のことを龍の怒りを買った大馬鹿ものとしか捉えていないものも数少なくなかった。
ギルド内は居心地悪かった。
王国では日々、吟遊詩人が唄い、王宮で呑気にすごしている貴族たちが大勢いると聞いた。父の遺言は当てにならないのだ。ということにした。
ある晩、突然だった。向こうからしたら厳密に計画して実行したことだろう。
私は薬を嗅がされて、男のいうことをきく、いやらしい淫らな女にされた。共の夜の酒を断り続けた結果だった。柄の悪い男たちや『アンテッド』と思えそうな男たちの慰みモノになった。いやいやした。正直言って心は遠くて、身体中に蛇が這いずり回るように気持ち悪い。しかし、身体が思うようになってくれない。悲しかった。
その時、たまたまその夜、話があると言っていたヘミングが探しに来てくれて
ヘミングが『エネリスト』としてのマナ放出を惜しみなくして助けに入った。
そのあとはどうして子供たちを連れて行かれ行こうという時にその力を使わなかったのか不思議だけど、マナという力を彼らの目、鼻、口、耳、などから体内に押し込んで、ぎゅっと力込めて暴漢たちの身体をバンッと爆発させた。その場は肉片と血みどろでドバッとなった。ベチャッとべちゃべちゃになった肉塊たち。人間たちだったモノ。私にも降り注ぐ血雨。私とヘミングだけが月明かりの中血と肉を浴びてそこにいた。
その晩から、ヘミングはその凄惨たる現状を見た他の連中と、街には噂情報者たちを介して人間たちに信用と信頼された。
いままでとは別の意味で恐れてしまわれた。誰も私を女として扱うことなくそれでも礼儀を失うことなく接してくれた。
兄には知らせてない。
知らないままでいて欲しいけど、ヘミングから知られてしまった。彼としては教えておいた方がいいと思ったのだろう。
少し恥ずかしい。 兄は気遣って今まで通り、朴念仁に対応してくれた。(まあ王国の女性たちには色目使うけど、私が嫌がると思ったのか。。それも控えている)。
しかし、この悲劇が辛いことだけれども、ギルドを応援してくれる女性(名ばかりの貴族)たちなどが多くなり、ヘミングの厳しさも相まって、ギルドは良い方向に向かった。少なくとも物資調達はギルド名をもしくはヘミングの名前を出せばスムーズにできるようなった。
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