カエルム殿下にクマ(のぬいぐるみ)がインタビュー

 こんにちは。みなさん。僕の短編が終わっていませんが、続きは書く所存です。ティート・チェーザレ・アレクサンドル・コリオラヌス・ヴィットーリオ・マクシミリアン・ルイ・フィリップ・リチャード八世です。

 え? 長い? そんなそんな。確かに次期シレア国王であらせられるカエルム・ド・シレア王子殿下よりはすこーしだけ長いかもしれません。

 今日の僕は、リポーターという役目を仰せつかっております。クマ(のぬいぐるみ)にできるのかって? そうやってまた決めつける。人間の悪い癖ですね。今日のお相手ならばそんなことには全く疑問なくにこやかに答えてくださいます。なんと言ってもかのお城には王女様七歳時の身長等身大クマのぬいぐるみがいらっしゃるのですから!

 前置きが長くなりました。ええ、今日のゲストは!(じゃじゃん) ななんとぉ(じゃじゃじゃん!)! 

 カクヨムコン9に参加していらっしゃいますシレア国王子殿下でございます!

(こちらは山田正純様のこちらの企画に参加しておりますのです。)

 https://kakuyomu.jp/user_events/16818023211849659178


 さぁ殿下がいらっしゃいました! 身長一七七センチの美丈夫(ああっ僕の首が見上げ続けるのに疲れます)……と思いきや、あれ? 殿下と目線が変わりません。あ、後ろにお付きの方も控えていらっしゃいます。

「どうも今日はよろしくお願いいたしますね」

 殿下……さりげなく僕を机に座らせてくださいました……(椅子だと低すぎる)光栄です。

「それではどのようなことをお話しすれば?」

 そうですね。殿下のお時間を拝借いたしますので、手短に参ります。


 まずは簡単に自己紹介をしてくださいますか?

「シレア国第一子第一王子カエルムと申します。姓は国母の元に生まれた幸運により、国の名に代わります」

 えっと、自己紹介を……

「そうこれといって紹介することもないのですが……」

(天然無自覚人タラシです。気を付けてください。キレたら死にます。精神的に)

 後ろの方、ありがとうございます。


 
 それでは二つ目を……犬派ですか? それとも猫派ですか? 理由も添えて教えてください。
 
 それとも熊派ですか?

「犬も猫も、どちらも嫌いではありません。嫌う理由もないですし。もちろんティート・チェーザレ・アレクサンドル・コリオラヌス・ヴィットーリオ・マクシミリアン・ルイ・フィリップ・リチャード八世様のような熊とお知り合いになれまして嬉しく思います」

 くぁっ! これですか天然ですね。よくわかりました。あ、なんか後ろからため息が聞こえます。


 ええっと、もう一つですね。スキャンダラスになりそうなのですが、大切な人はいますか? いたとしたら、なぜその人が大切なのですか?
 


「シレアの国民は全て大切ですよ。国を支えてくれていますし、そんなことを抜きにしても」

 えっ他には?

 あ、なんか後ろからさっきより大仰なため息が聞こえます。あぁ、そうなんですか。ネタバレですか。え、違う? ため息大きくなってません? 従者さん。


 ええっと、聞くとおかしいかもですけれど、10億円あったら、何をしますか?
 
 円と言いますか、シレアの通貨でそのくらい。

「そうだな……」

 やたら真剣になりましたね。

「ちょうど司祭領の工事があるから一部をその費用に充てて、昨今異常気象で被害に遭った農産業の支援と医療施設に……だが文化交流が伸びるからシレア国内だけで使うよりは国外との取引方面にも運用して外からの利益を……」

(殿下、クマが目を回しています)

「ああ失礼しました。やりたいと思っていた政策があったものですから、やや脱線を」

 いえ、お話いただいたら斜め上のご回答で僕も気の利いた対応ができず。


 気を取り直しましょう。ここ最近で一番楽しかったことや面白かったことはありますか?

「……いや、ここで言うのはどうかな」

 え、なんですか。なんでしょう。

「すみません、ちょっと大きな声では憚られるので、お耳を拝借したく」

 なんでしょうなんでしょう? え? 従者が本気で怖がっているのがちょっと面白かった? (『とある王子と従者の在り方』参照)ほほう、彼がそんな。殿下何をなさったんですか。え、ちょっと悪かったと思っているけれど? 本当に??

「聞こえてんですよ」

 殿下、後ろの人に怒られました。噛み殺して笑うな、だそうです。


 
 逆に悲しかったことはありますか?
 
 殿下のそのお顔からですと想像がつきませんけれども。

「私も特に思いつきませんね。幸い、恵まれております」

 従者さん、何か言いたそうですが。

 あ、そうですか。殿下の天然人たらし無自覚ぶりが悲しいですか。犠牲者が増えるんですね、わかります。


 目の前に傷ついた子供がいるとします。どうしますか?
 
 

 と伺おうと思いましたが、即座に助けて病院に送って原因を追究しそうですね。ええ、質問するまでもありません。従者さんもそう思うでしょ。ああ、それで子供まで夢中になっちゃうんですね、なるほど。


 見覚えがない異性が声をかけてきました。どうしますか?
 


「たとえ初めてお会いする方でも声をかけられたら普通、応えませんか? ご挨拶をいただいたら返すべきでしょうし」

 正論で……ってあああ! 従者さんが眉間に指当てて大仰にため息ついてますが!? これがいわゆるロス・ポーズと……タラシの犠牲者が増えるんですね、わかります。従者さん、ふぁいと。


 最後の質問は佐倉奈津(蜜柑桜)もとい僕からの自由な質問になります。が、質問が思いつきませんので、読者の皆様からのご質問をいただきたく存じます(ぺこり)。

「ええ、分かりました。可能な範囲でお答えできましたら、させていただきます」

 
 



 最後に、このインタビューを読んでいる人にメッセージをどうぞ。
 
 


「皆様、長らくお付き合いいただき、お時間をありがとうございました。シレア国の門はいつでも開いております。現在は我々の旅と日常の一部が外部公開されているようですが、気が向きましたらお越しいただけますと幸いです。私の妹もとても喜ぶと思います。

 つまらぬ答えばかりにならないかと危惧しておりますが、我々も今後、成長してまいりたいと思いますので、ご意見を拝聴できましたら」


 カエルム殿下とロスさん、読者様からカクヨムの指折りベスト・コンビとのお言葉を賜りましたお二人、主人と従者のバディです。

 現在は本格シリアス・ファンタジー長編がコンテスト参加中とお知らせしておりました(『天空の標』)。

 ひっそり情けない殿下の弱音なお話もありますので(『星天の扉』)、そちらもどうぞお楽しみください。

 作品集はこちらになります。

 https://kakuyomu.jp/users/Mican-Sakura/collections/16817330668308734866


 今回はこの僕、ティート・チェーザレ・アレクサンドル・コリオラヌス・ヴィットーリオ・マクシミリアン・ルイ・フィリップ・リチャード八世がカエルム・ド・シレア殿下にお聞きいたしました!

 従者さん、疲れてません?



(あ、そうそう、コンテスト作は留学エッセイも増えました。)

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