第4話 連行

捕まえた犯人は警察署に引き渡す。

警察官は、それを監視するのみの役目となっており,事実上四半菅の傀儡下にある。


「連れてきました」

「分かりました。ここにお名前とクラスを」


 完璧なる実力主義の学校は、捕まえた人の手柄になる。手柄が貯まれば、一つ上のクラスに行くことも不可能ではない。


「大丈夫ですか?これオレンジジュースです」

「子供扱いしないで」

「わかりましたよ。コーヒーでいいですか?」


「ああ、助かる」


そして、男に戻ったのを確認し、本部へと向かう。


「はぁ……能力使わないで勝てるようにしないとな」

「デメリットが大きいですからね」

「ああ、このままだと迷惑をかけるかもしれないしな」

「これから一年間パーティを組むわけですから、それくらい許容範囲です」

「そう言ってくれると助かる……ちょっと待っててくれ。ゴミ捨ててくる」

「分かりました」


そして彼は自販機へと走っていった。



そうして本部へと向かう。すでに討伐したことは各生徒に知れ渡っていて、各々撤退中だった。


「あーあ、先を越されたか。仕方ない」


そんなことを言う生徒も多く見受けられた。

手柄を上げれば上のクラスへと上がれるのだから血眼となるほど探し尽くす。



帝都・東京


帝都ビル7階には二人の男が話していた。

小太りの男、高谷は椅子に座り、目の前にいた細川に話しかける。


「あっさり行ったな。さすがと言うべきか。能力暴走装置を付けた相手にも圧勝とは」


その言葉に細川は頷き後、高谷に向かい、話しかける。


「そうですね理事長。思ったより上手く行ってよかったです。北の国の国籍の人間を暴走させ、鎮圧した。いわゆるマッチポンプですが、誰もそれに気づかない。むしろ、我々を褒め称えるのみです」


高谷−理事長は、何か思い出したかのように椅子から立ち上がり、細川を向く。


「北の国で思い出したが、そう言えば、北の国に押し付けたやつはどうなった?」



「民間人を殺し、北の国の仕業にすると言うアレですか。ネット中は北の国に対する誹謗中傷であふれています。中には一刻も早く我々に北の国を潰してほしいと言うコメントも」


「愚かだな。そいつらを殺したのは他でもないお前らが慕っている我々なのにな」


「本当ですね。次の作戦はどうしますか?」


「栩木の庁舎に火をつけろ。あそこならわかるまい」


「了解しました。では」


扉を閉める音と共に理事長は笑い出す


「ははは。可笑しい。この理事長を誰も彼もが私を信じきっていて。あの総理さえも。ふふふ」


帝都の闇は暗い

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