詩集「人格ノ破滅」（完）

第7話「正義の形」

死ぬがいい

生きれないなら

泣くがいい

死ねないのなら

私たちは常に生きるか死ぬかで迷うことはない

もっと身近な感情に

言葉をつけて

理解してるだけだ

自殺者さえ

元は端的な思考だった

だが死と直結するまで

序説を踏みしだいたに過ぎない

死ねと言われて

死ねるわけではない

その逆もしかり

つまりは出来上がっていく人間性は

人一人が何を言っても壊れず

また治るものでもない

死ぬのはそう育っていったからだ

簡単に死ぬなと言われ

死を止めたところで

その出来上がった心を抱えた亡者は

苦しいだけだ

死ぬのが正しいとは言わない

だが生きる価値を見出せないほど

困窮や仕打ちを受けるなら

清々しく人を殺せばいい

どうせ死ぬなら

その抱えた重荷を

殺すほど醜く黒く染めればいい

自分が死ぬのと

殺すのでは

そう簡単に両立出来ないだろう

殺すほどの拒絶反応があるなら

それは環境を壊す勇気があるという事だ

死ぬ前に思え

変えてみたいのは何か

自分が死んで変わるものは

無いんだ

殺すまで死ぬな

そう伝えたい

それが曲りなりの正義だ

生きろよ。